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サンフレッチェとサッカーに染まった日々

第8回Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く(2017年改訂版)

今回取り扱うのは交付規則37条の財務基準。
クラブライセンス制度の中でも非常に重要な基準です。

Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く(2017年改訂版)・目次>
回数内容(交付規則の対象条文)
第1回クラブライセンス制度導入の背景
第2回クラブライセンス制度の目的と概要(1条、4条、7条)
第3回クラブライセンス制度に関する用語説明(10条~19条、21条~23条)
第4回ライセンスの申請・審査・決定フロー(24条~26条、28条)
第5回ライセンス交付上(決定後)の取扱い(8条、15条、20条、41条)
第6回競技基準、法務基準(33条、36条)
第7回施設基準(34条)
第8回財務基準(37条)
第9回人事体制・組織運営基準、各種基準の小括(35条)
第10回AFC規則とACL出場権、AFC規則との比較(2条、9条、29条~30条、41条)
第11回クラブライセンス制度上の制裁と交付後の違反(6条、8条~9条、23条)
第12回上訴制度、その他の改正項目(12条、17条、27条、40条)
第13回J3クラブライセンス交付規則について
第14回クラブライセンス制度の全体像、おわりに



[Ⅰ]財務基準の概要

財務基準がクラブライセンス制度の中で特に重要であると口を酸っぱくして言ってきました。
その証拠が、運用細則にあるライセンス評価チームの審査方針にも表れています。

運用細則 フロー5-A


(5) ライセンス評価チームは基本的に、交付規則のうち「財務基準」について、提出書類をもとに詳細な分析および調査を行う。ただし、ライセンス評価チームは、交付規則のうち「財務基準」以外のライセンス基準についてもヒアリング調査を行うことができる。


それだけ重要な財務基準について、まずはいつも通り目的の確認から始めましょう。

交付規則 第37条〔財務基準〕


(1) 財務基準の目的は以下のとおりとする。


① クラブの経済的および財務的能力を向上させること
② クラブの透明性と信頼性を高めること
③ 債権者保護を重視すること
④ シーズンを通じた国内競技会および国際競技会の継続性を保護すること
⑤ 国内競技会および国際競技会における財務面でのフェアプレーを監視すること


この目的について特に解説する必要性はないと思います。読んだとおり。
なお、⑤については第2回で説明したFFP」(ファイナンシャルフェアプレー)のことです。


規則番号等級項目記号
F.01A等級年次財務諸表(監査済み)
F.02A等級中間財務諸表(レビュー済み)
F.03A等級選手移籍活動によって生じる他のサッカークラブに対する期限経過未払金の皆無
F.04A等級従業員や社会保険当局、税務当局に対する期限経過未払金の皆無
F.05A等級ライセンス交付の決定に先立つ表明書
F.06A等級予算および予算実績、財務状況の見通し
F.07A等級ライセンス交付後の重要な後発事象の通知義務
F.08A等級財務状況の見通しの修正義務
クラブライセンス制度導入時との比較を記号欄で示している。各記号の意味は次の通り。
 ☆:新設の規定 ○:大きな変更あり △:軽微な変更あり ◆:別の基準から移動した


財務基準については、運用細則の中身もかなり重要になってきます。
今回は、交付規則と運用細則と両方を見ながらポイントを押さえていきましょう。

[Ⅱ]三期連続赤字と債務超過

財務基準といえば三期連続赤字と債務超過と言っても過言ではないくらいこの2つは重要です。
これらの判定方法は運用細則において次のように示されています*1

運用細則 F.01 年次財務諸表(監査済み)(A等級


3.判定


(2) 提出された財務諸表に基づいて審査を行い、以下のいずれかに該当する場合は基準F.01を満たさないものとする。


① 3期連続で当期純損失を計上した場合
② ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在、純資産の金額がマイナスである(債務超過である)場合
③ Jリーグからの指摘に基づき、過年度の決算の修正が必要となった場合において、過年度の決算を修正した結果、前2号に示す事態となった場合


三期連続赤字については特に説明は必要ないでしょう。
債務超過については念のため画像を用意しました。債務が超過してるから債務超過


https://lh3.googleusercontent.com/7k7nerv0Y45x0C-SE40kV_eEofTQNHIwR9aK9kXiEXuwhisikuNwEhZkdx_1bIMAJUGpSi8RacAgrH_QFvi6BF_RhY18CFnFunK2JtCfecZGf6teyjGEFeQH0prPlHiht2OlmA=w960-h720-no


この基準ができたことによる影響は非常に大きいものでした。

その最たる例として、横浜マリノスがあげられるでしょう。
横浜マリノスは2013年に親会社の日産自動車から10億円の損失補填を受けています。

2013年度 決算について
横浜マリノス 2014年5月8日付》


当初、この累積損失に関しては、構造改革の成果を蓄積し、長期的に解消して行く計画でしたが、その後導入されたクラブライセンス制度によって、2014年度末までの解消が不可避となりましたので、日産は4年間の改革のプロセスと成果を公正に評価した上で、緊急避難的な措置として、損失補填を実行することとなりました。


具体的には、通常の事業活動を通して改善した営業損益と区別するため、敢えて営業外の「特別利益」として、損失全体の60%に相当する10億円を2013年度に補填し、残りについては、2014年度中に何らかの形で実行する見通しとなっております。


ただ、ここにあるように横浜マリノスは自主的に経営健全化を図っていました*2


これに対して、サガン鳥栖のように債務超過を増資によって回避し、さらに翌年にも債務超過の恐れがあったため追加で増資するという力業で乗り切ったクラブもあります*3


サンフレッチェ広島は2012年に99%減資と第三者割当増資を実施*4
債務超過となっていたわけではないので、クラブライセンス制度導入が直接影響したわけではありませんが*5、資本状況に不安を抱えていたため間接的な影響はあったかもしれません。



[Ⅲ]クラブライセンス制度導入後に生じた財務上の問題

ただし、全てのクラブが順調に財務基準をクリアしていったわけではありません。
クラブライセンス制度導入後、財務基準関係で大きな問題が4件起こっています。


クラブ 発生年 内容
岐阜*6 2012年 財務状況に懸念。財界の支援と経営陣退陣を経てライセンス交付。
福岡*7 2013年 地元企業等の支援で運転資金不足・債務超過を回避しライセンス交付。
鳥取*8 2015年 単年度赤字により債務超過が確定し、ライセンス申請見送り。
愛媛*9 2015年 粉飾決算が発覚。制裁を受けるがライセンス交付上は問題ないと判断。


その一方で、鳥取のケースを除けば何とか事態は収束しています*10
鳥取についても、J2昇格のために明らかに無理をしており、その無理が祟る前に身の丈経営に切り替えられたことは悪くなかったのではないかと考えています。

また、第9回で紹介しますが、是正措置通達を受けるクラブも減少傾向となっています。


こうした三期連続赤字と債務超過の禁止はJクラブの萎縮を招くという批判もあります*11

しかし、第1回でも触れた大分・ヴェルディのようなケースを未然に防げる可能性があるだけでも価値があるのではないでしょうか。我々はフリューゲルスを忘れてはならないのです*12


ファジアーノ岡山のように戦略的に赤字を出すクラブもいていいでしょうし*13ヴァンフォーレ甲府のように毎期黒字を出すことを原則とするクラブがいてもいいでしょう*14

安定した経営を行うことを大前提とした上で、リーグ全体の水準が上がればいいと思います。

[Ⅳ]影響を及ぼし得るような経済的重要性のある事象または状況

次に取り扱うのはF.05ライセンス交付の決定に先立つ表明書。

交付規則 F.05 ライセンス交付の決定に先立つ表明書(A基準


(1) FIBによってライセンス交付の決定が下される期間の開始前7日以内に、ライセンス申請者はライセンサーに対し、当該申請者がライセンス交付文書を提出した日が属する事業年度の前年度の末日以降、ライセンス申請者の財務状況に(好影響か悪影響かを問わず)影響を及ぼし得るような経済的重要性のある事象または状況が生じたか否かを表明する書式を提出しなければならない。


(2) 前項に関わらず、ライセンス申請者の財務状況に(好影響か悪影響かを問わず)影響を及ぼし得るような経済的重要性のある事象が発生した場合には、ライセンス申請者は当該事象の詳細を説明する書式を直ちに提出しなければならない。


上記のように、「ライセンス申請者の財務状況に(好影響か悪影響かを問わず)影響を及ぼし得るような経済的重要性のある事象」とありますが、これは何を意味するのでしょうか。

この具体的な例示は運用細則にあります。
ただ文字を見ていても眠くなってしまうので画像1個にまとめると次の通り。


https://lh3.googleusercontent.com/Gp9j524gh2uuWKqNsO5_hi9Xcbg2n3bgvUDq93twkP9zK6MNQdh96xW4WjS7npaNjKrn-p6IOfDXKoGsRdhjljuCztZAfWrQCqdBG46RMN-jzukuWuO1_hZY3l0Por7D6Y6M1A=w960-h720-no
Jリーグクラブライセンス交付規則をもとに作成》


上記のような事象が生じた、あるいは生じる見込みがあれば報告するべしという基準です。
例示内容は増えており、今後も改正があるかもしれません*15

[Ⅴ]期限経過未払金

次に確認したいのは、「期限経過未払金」について。

冒頭の表でも確認しましたが、期限経過未払金には2種類のものがあります。
このうち、従業員や社会保険当局、税務当局に対するものは特に説明は不要でしょう。

問題は、「選手移籍活動によって生じる他のサッカークラブに対する期限経過未払金」。

運用細則 F.03 選手移籍活動によって生じる他のサッカークラブに対する期限経過未払金の皆無(A等級


4.基準F.03に対するその他の遵守事項および注意事項


ライセンス申請者は、移籍補償金(および連帯貢献金)、トレーニング費用、トレーニングコンペンセーション等、選手移籍に関して発生する費用の支払いにつき、遺漏なく手続を行わなければならない。なお、トレーニング費用等の支払いが免除される場合は、トラブル防止のため、その記録を書面で残すようにしなければならない。


お察しの通り、ここでいう期限経過未払金はいわゆる移籍金等に関するもの。
移籍金等を支払期限までにきちんと支払っているかが判定のポイントです。

逆に言えば、連帯貢献金が期限経過後も未払いのままだとライセンスが交付されません
連帯貢献金の対象クラブにとっては請求しやすくなっているようです*16。。


ここでいう「他のサッカークラブ」にプロ以外が当てはまるかは明らかにされていません。
ただ、トレーニング費用はアマチュア選手がプロ選手として移籍する場合に生じるものであり、学校などがその請求権を有している以上、含まれていると考えていいでしょう*17

[Ⅵ]その他の改正項目

最後に、財務基準に関する改正項目をまとめて確認していきたいと思います。


まず、F.02中間財務諸表(レビュー済み)がC等級からA等級に変更されました。

交付規則 F.02 中間財務諸表(レビュー済み)(A等級


(1) ライセンス申請者は、ライセンス申請日における最終の事業年度の末日が、第28条の一覧表のAFCへの提出期限(10月31日)の6か月以上前である場合には、中間財務諸表を作成し、提出しなければならない。


(2) 前項の中間財務諸表は、第28条の一覧表の提出期限の前6か月以内の日を末日とする中間期を対象とするものであり、監査法人または公認会計士の監査もしくはレビューを受けていなければならない。


注記: 上記に関わらず、2017年に行うライセンス申請に関しては、2016年10月28日付のAFC承認に基づき本基準の適用は免除されるため、ライセンス申請者は中間財務諸表を提出する必要はない。


近年、決算短信や中間決算短信では情報が遅すぎることから、ステークホルダーから四半期決算短信を求められる傾向にあり、それに対応している一般企業が多く存在しています。

サッカークラブは基本的に単純な投資対象ではないのですが、経営の舵取りが難しい業種ですから短いスパンでのチェックも重要と考えられたため等級が上がったのだと推察されます。


ただ、四半期決算はもとより、中間決算をするにも相当の財務処理能力が求められます。
Jリーグが2017年シーズンの免除申請を行ったのはその辺りの配慮もあるでしょう。

クラブライセンス規則にも変更点、A等級の練習場の天然芝はハイブリッド芝でも代用可
《ゲキサカ 2017年2月9日付》


追加となった基準でA等級のものはないが、見直された基準でC等級だった「中間財務諸表(監査済み)」がA等級の「中間財務諸表(レビュー済み)」の提出に引き上げられた。ただし17年の申請に関しては、日本サッカー協会(JFA)と協働の上でAFCに例外適用申請を行ったために除外となっている。


2018年シーズン以降、Jリーグでも中間財務諸表の提出が義務化されるかは不透明。
青影宜典クラブライセンスマネージャーの説明を聞く限りでは、AFCとの協議次第のようです。

【解説】2017シーズンにおけるクラブライセンスの変更点とは?(2)内容が見直しとなった5つの項目とは?
《Jウォッチャー 2017年2月17日付》


ただ一方でこの中間財務諸表を求める目的というのは、日本においてはすでに他の基準で充足できているところがありましたので、AFCとの協議の結果、今年の申請に関してはこの中間財務諸表の提出は必須ではないですという説明を受けている状況です。


仮に提出が義務化されることになった場合は、Jクラブの大半が1月決算を選択していますので、全クラブが対象となる可能性が高いものと思われます*18


もう1つの大きな改正は、F.01年次財務諸表(監査済み)に関するものです。

ここに、「ただし、ライセンス申請者が、前項にいう会計監査人から監査報告書において否定的意見が付されたかまたは意見不表明となった場合には、審査に及ばないものとする。」という一文が追加されました*19

監査意見には4種類のものがあり、それぞれの意味は次の通り。

監査意見の種類
日本公認会計士協会 2017年6月15日閲覧》


監査意見には、以下の4種類があり、監査人はこのいずれかの意見を表明する責任がある。


無限定適正意見
一般に公正妥当と認められる企業会計の基準にしたがって、会社の財務状況を「すべての重要な点において適正に表示している」旨を監査報告書に記載する。


限定付適正意見
一部に不適切な事項はあるが、それが財務諸表等全体に対してそれほど重要性がないと考えられる場合には、その不適切な事項を記載して、会社の財務状況は「その事項を除き、すべての重要な点において適正に表示している」と監査報告書に記載する。


不適正意見
不適切な事項が発見され、それが財務諸表等全体に重要な影響を与える場合には、不適正である理由を記載して、会社の財務状況を「適正に表示していない」と監査報告書に記載する。


意見不表明
重要な監査手続が実施できず、結果として十分な監査証拠が入手できない場合で、その影響が財務諸表等に対する意見表明ができないほどに重要と判断した場合には、会社の財務状況を「適正に表示しているかどうかについての意見を表明しない」旨及びその理由を監査報告書に記載する。


このうち、不適正意見または意見不表明となった場合には切り捨てられるわけですから、Jクラブとしても相当緊張感を持って臨む必要があるでしょう。


その他でも細々とした改正がありましたが長くなったので割愛させて下さい*20


<今回のまとめ>

  • 財務基準は、Jクラブの財務的能力を向上させ透明性・信頼性を高めるためにある
  • 財務基準で重要なのは三期連続赤字と債務超過の判定
  • 財務基準ができたことで問題も生じているが、是正措置通達の対象クラブは減少傾向
  • 中間財務諸表は今後義務化される可能性もある(当面は不要)
  • 監査意見で不適正意見か意見不表明が出た場合は審査をしてもらえない


それでは次回の人事体制・組織運営基準の概要でまたお会いしましょう。



*1:なお、クラブライセンス制度導入時は東日本大震災の影響もあって、三期連続赤字は2012年度から、債務超過は2014年度から判定することとされていた。

*2:大東和美村井満Jリーグ再建計画』(日本経済新聞出版社、2014)110頁、Fマリノスから「NISSAN」ロゴが消える日 日産が英マンチェスターとスポンサー契約する意味東洋経済オンライン 2014年7月29日付》。

*3:サガン、3億5000万円増資 債務超過解消佐賀新聞 2014年7月26日付》、サガン運営会社、2億2000万円増資佐賀新聞 2015年1月24日付》。

*4:減資及び第三者割当増資完了のお知らせサンフレッチェ広島 2012年5月15日付》。

*5:第8回サポーターズカンファレンス議事録《サンフレッチェ広島 2012年1月14日開催》。

*6:参考文献を列挙する。当クラブ「予算管理団体」の指定についてFC岐阜 2012年4月18日付》、FC岐阜、予算管理団体に Jリーグ、経営改善へ指定岐阜新聞Web・FC岐阜特集 2012年04月19日付》、FC岐阜が「予算管理団体」に…Jリーグ、経営改善へ指定《ドメサカブログ 2012年04月21日付》、FC岐阜に厳しい姿勢 Jリーグ、来季参加資格検討へ聴取岐阜新聞Web 2012年8月21日付》、FC岐阜の体制強化訴え 古田知事「経営陣交代含め」岐阜新聞Web 2012年8月22日付》、FC岐阜、来季存続へ 今西社長辞意、薫田氏で後任調整岐阜新聞Web 2012年8月24日付》、FC岐阜に来季のJ2ライセンス交付 設備改善計画提出へ岐阜新聞Web 2012年9月29日付》、藤澤信義氏・Jトラスト㈱代表取締役社長によるFC岐阜支援のお知らせFC岐阜 2012年12月25日付》。

*7:参考文献を列挙する。アビスパ危機 経営難 資金5000万円不足 Jリーグ退会も西日本新聞 2013年10月16日付》、【アビスパ経営危機】スポンサーの「ふくや」が応援キャンペーン発表!対象商品の売上金全額を寄付《ドメサカブログ 2013年10月31日付》、必然だったアビスパ福岡の経営危機問題 露呈した構造的問題と長く険しい再建の道スポーツナビ 2013年11月26日付》、アビスパ福岡、再建への道。経営危機に直面したクラブを救った地元企業「ふくや」フットボールチャンネル 2014年3月12日付》、アビスパ福岡株式会社への資本参加のお知らせ《株式会社システムソフト 2014年8月29日付》、経営危機に陥ったアビスパ福岡、復活の理由/前編「トップチームと同じように数字のプレッシャーにさらされるのは当然のこと」サッカーキング 2016年5月16日付》、経営危機に陥ったアビスパ福岡、復活の理由/後編「“アビスパ”というキーワードで、子どもたちの成長に好影響を与えることができたら」サッカーキング 2016年5月18日付》。

*8:参考文献を列挙する。クラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定による 2015シーズン Jリーグクラブライセンス交付について《Jリーグ.jp 2014年9月29日付》、弊クラブの経営状況に関する記者会見を行いましたガイナーレ鳥取 2015年4月24日付》。

*9:第11回で詳細に取り扱う。参考文献を列挙する。平成24年度および平成25年度の決算処理に関するご報告とお詫び愛媛FC 2017年1月16日付》、愛媛FCが多年度にわたる粉飾決算……第三者委員会で追加調査へサッカーキング 2015年1月16日付》、愛媛FCの粉飾決算にJリーグ側が見解 第三者委員会を設置、さらなる原因追及へスポーツナビ 2015年1月16日付》。

*10:FC岐阜に関しては後味が悪い一件だったが、クラブライセンス制度という面に限れば事態は収束した。木村元彦『徳は孤ならず 日本サッカーの育将 今西和男』(集英社、2016)201頁。

*11:クラブライセンス制度導入の影響 Jリーグにデフレ効果をもたらす心配はないのか……《JSPORTS後藤健生コラム 2012年1月18日付》、記者の目 Jリーグ配分金増額=大島祥平(東京運動部)毎日新聞 2017年2月24日付》。

*12:Jリーグ最大の「事件」 社会問題となったフリューゲルス Jリーグを創った男・佐々木一樹 第5回スポーツナビ 2012年9月20日付》、楢崎正剛が語る横浜フリューゲルスの記憶「僕らは結局は無力だった」ぐるなび みんなのごはん 2016年7月28日付》、横浜F、“最後”の天皇杯制覇の舞台裏。「伝説」につながる一言を発した若手FW【フリューゲルスの悲劇:20年目の真実】フットボールチャンネル 2017年2月14日付》

*13:J2ファジアーノ岡山の木村代表「赤字覚悟の投資も必要」日本経済新聞 2016年8月18日付》、ファジアーノ岡山の木村正明代表が語る「J1昇格」よりも大切なこと<1/2>=宇都宮徹壱WMより転載Yahoo!個人(宇都宮徹壱) 2016年11月25日付》。

*14:“甲府方式”運営は地方クラブの見本 奇跡の甲府再建・海野一幸会長 最終回スポーツナビ 2014年3月13日付》、第30回ヴァンフォーレ甲府経営委員会 第30回経営委員会の状況山梨県 2017年3月31日付》。

*15:交付規則F.05の4②ニ・ホはクラブライセンス導入時にはなかった改正追加項目。

*16:連帯貢献金の事例として、香川真司 マンU移籍で少年時代所属クラブに2000万ボーナス《NEWSポストセブン  2012年7月20日付》、岡崎慎司がもたらした知られざる経済効果。中学時代を過ごした街クラブに1300万円を生む『連帯貢献金』とはフットボールチャンネル 2016年6月16日付》。

*17:サッカー選手の登録と移籍等に関する規則28条、29条2項(Jリーグ規約・規定集2017 177頁)。

*18:柏レイソルジュビロ磐田YSCC横浜の3クラブが3月決算。アルビレックス新潟コンサドーレ札幌京都サンガ愛媛FCAC長野パルセイロの5クラブが12月決算。それ以外のJ1・J2・J3クラブは1月決算。すべて2015年度決算の時点。Jクラブ個別経営情報開示資料(平成27年度)より。いずれにせよ事業年度の末日が提出期限(10月31日)の6か月以上前なので提出義務が生じる。

*19:なお、従来はF.06に設けられていた文言で、且つ、「ライセンス申請者は資金繰り表、財務状況に関する見通しのリスクとを説明する資料を作成し、ライセンス申請者の財務面での見通しについて説明しなければならない。」とされていたため、当時よりも厳しくなっている。

*20:その他の改正点を列挙する。交付規則F.03とF.04における日付について、12月31日は6月30日に、3月31日は8月31日に変更されている。運用細則F.01について、3(3)に関連会社等の規定が設けられた。運用細則F.06の1(2)②ハで、「当期の営業収入予算」が求められていたが、「当期の損益見込(当期純利益もしくは当期純損失の金額を含むもの)」に置き換えられた。同じく運用細則F.06について、1(2)③に「LMが個別に指定したクラブのみ対象とする」という制限が設けられた。運用細則F.06についてはその他に、2(2)の審査手順が従来とは異なり、3には③と④が追加され、4の(1)と(2)が削除された。