サンフレッチェ広島 2014年通信簿(後編)
awayisum.hateblo.jp
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(前編)、(中編)と通信簿形式でしたが、(後編)はその他の内容。
それ以外の話題と今シーズンに向けた展望を書いていきます。
[Ⅷ]その他…【備考欄】
前編・中編に含めることが出来ないような出来事をまとめました。
評価をするような話題ではないですが、2014年に起きた大きな出来事です。
2014年は選手個人の偉業が多かった一年でもありました。
移籍後いきなり達成してしまったため話題としては小さかったGK林卓人選手の偉業。
林卓人選手 Jリーグ歴代最多連続出場達成 のお知らせ
《サンフレッチェ広島 2014年3月3日付》
サンフレッチェ広島の林卓人選手が、2014年3月1日(土)J1リーグ第1節vs.セレッソ大阪に出場したことにより、Jリーグ歴代最多となる219試合連続出場(J1、J2を含む)を達成いたしましたので、お知らせします。
なお、この記録は2014年8月2日の鹿島戦で途絶えてしまいました。
これはその前の甲府戦で跳び蹴りを食らい、脇腹を痛めたことによる欠場。
この影響での欠場以外はACLも含めて大車輪の活躍だっただけに、非常に残念でした。
FW佐藤寿人選手も例年通りの偉業達成。
10月には11年連続となる2桁得点を記録。
さらに11月のナビスコカップ決勝では歴代得点記録の塗り替え。
【速報】広島FW佐藤寿人がナビスコカップ最多得点記録を更新!
《ドメサカブログ 2014年11月8日付》
準決勝の柏レイソル戦で大会最多得点記録26ゴール(中山雅史、ジュニーニョ)に並んでいた広島FW佐藤寿人は、前半のうちに2得点を挙げ、ナビスコカップの最多得点記録を更新しました。
そして、ホーム開幕戦のゴールはFIFAプスカシュ賞にノミネートされました。
このゴールが年間ベストゴールに選ばれない国があるそうです。
Hisato Sato Goal: FIFA Puskas Award 2014 Nominee http://t.co/HIwT7ppGA0
— FifaTV (@FifaTV4) 2014年11月12日
2015年シーズンも12年連続2桁得点の他に、7年連続2桁得点(J1限定)トップタイ、J1・J2通算200得点(あと5点)などの記録にも期待が集まります。
プスカシュ賞ノミネートゴールの生まれた川崎戦といえばこんなこともありました。
FIFA EWS社からの警報へのJリーグの対応について(報告)
《Jリーグ.jp 2014年3月18日付》
【報告事項(サマリー)】
3月10日(月)、Jリーグは公益財団法人日本サッカー協会(JFA)を通じてFIFA EWS社よりスポーツ賭博市場動向の監視レポートを受け取りました。監視レポートの内容は「3月8日(土)Jリーグディビジョン1第2節サンフレッチェ広島 対 川崎フロンターレに対する賭け方に『小さな異常値』が見られた」というものでした。
Jリーグはこの報告を受けて、当該試合に関し不正行為又はその働きかけがなされた形跡がないか調査するため、試合に関わった関係者を調査することを決めました。そのために弁護士を含む緊急調査チームを立ち上げ、両クラブの実行委員、強化責任者、出場またはベンチ入りした選手、監督はじめベンチ入りしたコーチングスタッフ、さらに4人のレフェリーを対象に、個別の事情聴取を実施しました。
またJFAの協力を得て、EWS社から追加の情報を収集するとともに、別の監視会社からセカンドオピニオンを入手しました。さらにJFA技術委員会、および審判委員会に試合の映像分析を依頼しました。調査の結果、当該試合に関し不正行為及びその働きかけがなされた形跡は一切認められず、不正は行われなかったとの判断にいたりました。
加えて3月17日(月)深夜、JリーグはJFAを通じてFIFA EWS社より、最終レポートを受領しました。同社による調査の結果、「問題の異常値は市場での「噂」によって惹起されたもので、当該試合への不正な関与はなかったと思われる」とのことでした。
EWS社がJリーグの試合に警告を発したことは史上初めてのこと。
その疑いが出てくるくらいファンタスティックなゴールだったと受け取っておきましょう。
逆にACL アウェイ・ソウル戦の判定にはクラブとして抗議しました。
AFCチャンピオンズリーグ グループリーグ第4戦 vs.FCソウル における審判の判定について
《サンフレッチェ広島 2014年4月2日付》
このたび、サンフレッチェ広島は、昨日(4月1日)に行われた『AFCチャンピオンズリーグ グループリーグ第4戦vs.FCソウル(@ソウルワールドカップスタジアム)』において、「試合全体を通じて勝敗に影響を及ぼす意図的な判定があったのではないか」との抗議文をAFCに提出いたしました。アジアのチャンピオンを決める大会ということを鑑みても、このような判定をスタンダードなものとして受け入れることはできません。
サンフレッチェ広島は、レフェリングの向上を切に願うとともに、今後はJFA、ならびJリーグの指示を仰ぎながら、本件について対処して参ります。
これがどういうてん末になったのかは分かりません。
ただ、AFC公式HPでは11月にサンフレッチェ広島に対して罰金が決定されています。
原因が判然としませんがおそらくこの抗議に対するものではないかと考えられます。
《List of the AFC Disciplinary Committee Decisions on 28 November 2014より》
話は変わって、2014年はワールドカップイヤー。
サンフレッチェ広島からはMF青山敏弘選手とDFファン・ソッコ選手が選出されました。
しかも、2人ともに1試合ずつ出場を果たすことができました。
そのおかげでサンフレッチェ広島も補償金を頂けたようです。
ガンバ大阪などJクラブも...世界396クラブへの2014年W杯分配金が公表
《Qoly 2015年1月9日付》
Jリーグに属する12クラブへの配分金は以下の通りとなると発表されている。
サンフレッチェ広島、201,600ドル(約2396万円)
完全な余談ですが、ブラジルでも社長のハードワークが話題に。
他にも、水本裕貴選手がDFとしてフェアプレー賞個人賞を受賞したのは誇らしいことでしたし、FW皆川佑介選手がAマッチ出場でA契約を勝ち取るなんて話題もありました*1。
その他で括った癖に話題多すぎですね。
[Ⅸ]2015年シーズンの展望
最後になりましたが今年の展望を簡単に。
2015年は経営再建計画4年目に入ります。
そして経営的には(今年優勝すれば話は別ですが)優勝賞金や優勝関係のグッズ販売等による収益が見込めない一年になります。
先日の中国新聞の報道では2014年度決算も無事黒字になる模様。
経営も勝負の年 小谷野社長に聞く
《中国新聞 2015年1月9日18面》
―2連覇効果で2013年度の収入は約32億円と好調でした。14年度はどうですか。
30億7千万円を見通しており、5千万円規模の黒字が出そう。クラブワールドカップやリーグ優勝などの賞金が減った中では健闘。優勝効果で新しくスポンサーがつくなどして(広告収入は)増額になりそうだ。ただ3年間、一貫して黒字額はほぼ賞金で補っている。
―15年度は、その優勝効果が期待できない年になります。
確かに新年度は全くない。その中でしっかり黒字を出すことが組織の自信となってくる。ただチームの人件費は落としたくない。選手、スタッフの基本給は、13年度から14年度にかけて約9千万円増やした。15年度は5千万円くらい増やせればと思っている。
―どう捻出しますか。
これまではチームの頑張りに助けられてきた。今年はフロントがしっかりと支えていけるようにしたい。そのためにもスタートが肝心。開幕前の準備からしっかりと進めたい。
―経営再建5カ年計画の4年目です。
現在5億円程度の入場料収入が6億5千万円になれば安定経営できる。そのためにはリピーターをいかにつくるか。シーズンパスは6千席が理想だが、まずは5700席をしっかり売りたい。グッズ売り上げが順調。選手の顔をあしらった、お面が好評のように観客参加型の応援グッズを増やし、観戦文化を根付かせたい。
今年も確実に黒字を出すことで経営再建計画最終年に向けて弾みをつけて欲しいところです。
観客数については前編でも触れたように、やはり30万人が一つの目標となるでしょう。
リーグ戦17試合、ナビスコカップ3試合が確実に開催できるホーム試合。
そうなるとリーグ戦が2014年と同水準の1試合平均1万5千人では届きません。
そのために必要なのは試合数を増やすことと観客数の底上げ。
具体的にはナビスコカップの決勝トーナメント進出と稼ぎ時に稼ぐことです。
エディオンスタジアムの立地上、どうしてもクラブで出来ることには限界があります。
その中でチームとしては成績を上げ、夏休みやGWに確実に稼ぐことが肝要でしょう。
新スタジアムに向けた動きにも変わらず注目しなければなりません。
2012年の優勝パレードからはや2年が経過しました。
観客数、人件費、露出、クラブ経営の様々なファクターどれをとっても限界が見えます。
その打開策はスタジアム建設以外にはないように思えます。
4月には統一地方選挙が控えています。
昨年、協議会が最終回を迎えてからクラブの表だった動きはありません。
明日開催される予定のサポーターズカンファレンスでその話題が出ることだと思います。
クラブの積極的な動きに期待したいところです。
2014年、ここまでクラブの通信簿をつけてきました。
一方で、2014年はサポーターのあり方が問われた一年でもあります。
3月には浦和レッズの人種差別問題が発生しました。
にもかかわらず8月には横浜マリノスでも人種差別問題が発生。
どちらにも共通する特徴的な点はSNSで話題が広まったということ。
今日の試合負けた以上にもっと残念な事があった…。
— 槙野智章 (@tonji5) 2014年3月8日
浦和という看板を背負い、袖を通して一生懸命闘い、誇りをもってこのチームで闘う選手に対してこれはない。
こういう事をしているようでは、選手とサポーターが一つになれないし、結果も出ない… pic.twitter.com/Nhasgg4LjZ
横浜マのサポーター、バナナ振り人種差別か 入場禁止に
《朝日新聞デジタル 2014年8月24日付》
横浜マのクラブ関係者が後半途中、ツイッターなどで動画が出回っていることに気がつき、調査を開始。当該男性サポーターを特定し、試合後に約1時間、事情を聴いた。男性はバナナは持っておらず、ハーフタイムに食べたと説明したという。
SNSは活用方法で強い武器にもなりますが、同時に毒にもなり得ます。
人種差別行為が悪質であることは疑いようのない事実ではあります。
一方でSNSで拡散するかどうかは一度立ち止まって考えるべきではないかと考えています。
これは事実を隠蔽するべきだとかそういう話ではありません。
SNSを通すことにより多くの無関係な人たちからの攻撃が集中する可能性があります。
そういった攻撃は一種の私刑なのではないかと私は考えているのです。
問題が発生したときにまずするべきことはSNSでの拡散ではありません。
問題解決が難しいとしても、クラブスタッフなどを通して事態の解決を図ることが先です。
非常に残念なことですが、サンフレッチェでも同様の事件が発生しました。
2014JリーグヤマザキナビスコカップFINALにおける一部サポーターの行為について
《サンフレッチェ広島 2014年11月14日付》
2014年11月8日(土)に開催された2014JリーグヤマザキナビスコカップFINALの試合前、会場である埼玉スタジアム2002北サイドコンコース内でサンフレッチェ広島のサポーターによる不適切な行為が発生致しました。スタジアム関係者の皆様をはじめ、本スタジアムをホームスタジアムとする浦和レッズに関わる皆様、大会関係者の皆様、Jリーグ、サッカーを愛する全ての皆様にお詫び申し上げます。サンフレッチェ広島は、再びこうした事象が発生しないように一層の取り組みを行って参ります。
これもまたSNSを通じて発覚した事件でもあります。
こういったケースだけではなく、SNSに投稿する前に一度文面を確認することが大事です。
本当にその文面は世界に向けて発信してもいいのか、誰かを貶める内容ではないか。
そういった確認をしてから投稿しても遅すぎることはないでしょう
練習を見学されるみなさんへのお願い
《サンフレッチェ広島 2014年3月6日付》
・戦術的な練習や紅白戦のメンバー、別メニューの選手情報、練習試合などの詳細について、「Twitterやブログ、フェイスブックなど、ソーシャルメディアなどでの情報発信」はご遠慮ください。サポーターの皆さまの情報共有のみならず、相手チームへの情報提供にもなりかねませんので、ご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
SNSを使用したトラブルは何もサッカーに限った話ではありません。
ただ、今まで通りの緩い楽しみ方が難しくなっているのかもしれませんね。
先日テレビで40年前の事件の話で、当時は今より報道規制が取れてなく情報の扱いもいい加減(その事件では警察の動きがラジオで犯人に筒抜け)だったってのを知った。昔は酷かったんだなぁと思ったけど、今の我々のSNS(情報)の使い方も、未来の人から「酷いなぁ」って思われるかも。
— きのり (@inhalesfc) 2015年1月12日
サポーターを自称・自認するのであれば、まずクラブをサポートする行為であるかを考え、それから行動に移すよう、これまで以上に注意していくべきだと思います。
長々となりましたが、以上でサンフレッチェ広島 2014年通信簿を締めくくりたいと思います。
昨年書いたときよりも、話題が増えているため嬉しい悲鳴をあげることになりました。
2015年も変わらず楽しい話題が多いことを祈っています。
本年もよろしくお願いいたします。
チーム、ファン・サポーターの力を結集してタイトル獲得に向けて邁進しましょう。
《サンフレッチェ広島より》
*1:(Jリーグアウォーズ開催、MVP・ベストイレブンなど各賞が決定《ゲキサカ 2014年12月9日付》、前代未聞!?広島FW皆川、代表初キャップのウルグアイ戦でA契約条件に到達《ドメサカブログ 2014年9月13日付》。