サンフレッチェ広島 2014年通信簿(中編)
(前編)に引き続いて通信簿を付けていきましょう。
前回は成績と経営面の話でしたが、今回はスタジアムと企画広報について。
[Ⅵ]スタジアム…【よく出来ました】
スタジアムというテーマではありますが、大きく分けて2種類の話に分かれます。
すなわち、既存スタジアムについての話と新規スタジアムについての話です。
既存スタジアムについて、サンフレッチェが2014年に取り組んだことは大きく2つあります。
1つは2014年から芝かぶり席を廃止。
代わりに新席種・セブン-イレブン フィールドシートを設置しました*1。
《サンフレッチェ広島より》
座席数も50席から104席に増加し、値段も大人6000円から4500円とリーズナブルに。
また、従来はA1ゲート近くのコーナーアーク側でしたが、セブン-イレブン フィールドシートはバックスタンド前で、ピッチに対して平行に設置されています。
ただ、厳密にカウントはしていませんがスタジアムで見る限りでは利用者が少ない。
近くで見れるというのは大きなメリットですが、飲食などに制限が多いのも事実。
設置に手間もかかるでしょうし、クラブが今後どう取り扱っていくのかに注目しています。
《サンフレッチェ広島より》
2015シーズン サンフレッチェ広島ホームゲーム飲食売店 募集のお知らせ
《サンフレッチェ広島 2014年11月11日付》
このたびサンフレッチェ広島では、来場者の皆さまに、より魅力的かつご満足いただける飲食を提供することを目的に「スタジアムグルメ向上計画」と銘打ち、2015シーズン サンフレッチェ広島ホームゲーム時に出店していただく飲食売店を次の通り募集いたします。多数のご応募、お待ちしております。
表だって飲食店を募集するのは知る限りでは初めてのこと。
エディオンスタジアムに施設上の制約があることは過去も話題になっています。
テーマ4 観客動員について(高尾邦彦運営部長、森脇豊一郎企画・広報部長)
《第11回サポーターズカンファレンス議事録》
【スタジアム・グルメについて】
スタジアム・グルメにつきましては、サポーターズ・カンファレンスだけではなくメールでも「コラボメニューが冷えていておいしくなかった」等のご意見を日々いただいています。そういったご意見については担当の業者の方等に品質の改善、向上を都度申し入れております。できる部分で改善を図り、より魅力的な商品を提供できるように図っていきたいと思います。一方で言い訳になったら申し訳ありませんが、皆様にご理解いただきたいのが、今のエディオンスタジアム広島は、いわゆるW杯対応のスタジアムやマツダ・スタジアムのように、すでに飲食のブースが入るエリアが設営されていて、給排水の設備等を有しているスタジアムではございません。皆様ご存じの通り、テントを設営して業者の皆様にも努力していただており、そのなかでわれわれも日々、できる限りでの改善を要求している事実はございます。そういった環境にあるということはひとつご理解いただきたいと思います。
こういった制約はありますが、新スタジアムがすぐ出来るわけではありません。
制約を受ける中で顧客満足度を向上させる狙いがあると考えられます。
立地が悪い分、飲食に投資出来ればリターンも期待できるのではないでしょうか。
この結果にも注目していきたいところです。
そんなエディオンスタジアムについて、2014年はJリーグから3度注意等を受けたようです。
1つは前回紹介したナビスコ杯の日程変更の件*2
2つ目は大型映像装置が再度故障したことについて。
エディオンスタジアム広島の大型映像装置について
《サンフレッチェ広島 2014年7月11日付》
平成25年2月に表示部の不具合により修理不能となったため、以降は観客席中段部へのLEDパネル(380インチ)を設置し、仮設対応を行っておりました。その間、ご来場された多くお客様には大変ご迷惑をお掛けしておりました。この度、広島市側による再改修が行われ、再度の仮設対応ではありますが、従来と同サイズの470インチLEDパネルを常設装置画面部に移動設置を行うことになりましたので、ご連絡申し上げます。 大型映像装置については、Jリーグからの改善勧告を受けておりましたが、本対応により従来同等の会場サービスをご提供させていただきます。
そして最後の1つがJ1クラブライセンスの交付に関して。
2015シーズン J1クラブライセンス交付のお知らせ
《サンフレッチェ広島公式HP 2014年9月30日付》
9月29日(月)、クラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定によって、サンフレッチェ広島に対し、2015シーズンに関するJ1クラブライセンスが交付されることになりましたので、お知らせします。 なお、クラブライセンス交付第一審機関からは、「トイレの数と屋根のカバー率」について、昨年に引き続き『B等級基準未不充足(制裁対象)』の通知がありました。2015年の審査時に計画の進捗が見られない場合には、今回の「制裁」が「戒告」になる旨も、併せて通知されています。
この中でも特にクラブライセンス制度についてはJリーグ側がかなり強気に来ています。
屋根のカバー率やトイレの数は一朝一夕に改善できるものではありません。
だからというだけではありませんが、新スタジアムが求められる一つの理由ではあります。
新スタジアムについて、サンフレッチェは昨年2度のシンポジウムを実施しました。
第4回には中島浩司氏を招き、第5回には森保一監督が出席しています。
www.sanfrecce.co.jp
www.sanfrecce.co.jp
署名活動ではついに目標だった40万件を突破。
それを記念して村井チェアマンを招いてトークイベントを実施しました。
7月6日(日)『Jリーグ再開&スタジアム署名40万件突破トークイベント』千葉和彦選手・水本裕貴選手トークステージ追加決定のお知らせ
《サンフレッチェ広島 2014年7月4日付》
また、継続的に実施しております「サッカースタジアム建設要望の署名活動」について、多くの方のご協力を得て、このたび40万件を突破いたしました。
サッカースタジアム建設要望署名数/401,871件(2014年6月27日現在)
つきましては、7月6日(日)『Jリーグ再開&スタジアム署名40万件突破トークイベント』をゆめタウン広島で開催いたしますので、お知らせいたします。
さらに、森保一監督がW杯による中断期間を活用して欧州スタジアム視察を実施。
広島ホームテレビでもその映像が放送されました。
11月には1年半にわたったサッカースタジアム検討協議会が閉会。
結果として旧広島市民球場跡地と広島みなと公園が併記されることになりました。
第19回サッカースタジアム検討協議会(最終回)を受けて
《サンフレッチェ広島 2014年11月21日付》
本日、最終回となる第19回サッカースタジアム検討協議会が開催されました。協議会では、広島に相応しいサッカースタジアムについて、これまで議論が重ねられてきました。結論は、検討候補地として「旧市民球場跡地」と「広島みなと公園」の2か所併記で最終とりまとめになります。旧市民球場跡地1か所に絞れなかったのは残念ですが、ひろしま夢スタジアム実行委員会としては、交通アクセスの良い市内中心部(旧市民球場跡地)にて、広島の街づくり、賑わいの創出、将来に資するサッカースタジアム建設の早期実現に向けて、これまで以上に努力してまいります。
スタジアムに関する話は後日改めて詳しくやりたいと思っています。
[Ⅶ]企画広報…【大変良くできました】
本稿最後は企画広報について。
2014年もまた面白い企画が満載でした…が、多すぎるので主要なものだけ取り上げます。
2014年から大きく変わったことの一つがサンフレッチェレディース。
過去3年間は公募で決まっていましたが、2014年から地元アイドルが就任しました*3。
『サンフレッチェ・レディース 2014』に地元広島アイドルユニット SPL∞ASH 就任のお知らせ
《サンフレッチェ広島 2014年1月24日付》
このたび「サンフレッチェ・レディース 2014」に、地元広島のアイドルユニット“SPL∞ASH”が就任いたしましたので、お知らせいたします。サンフレッチェ広島に関するイベントやグッズ・グルメ情報、魅力の発信など、サポーターの皆さまと一緒に、サンフレッチェ広島を盛り上げる応援ユニットとして活動していきます。
さすがにプロが就任したことで露出面での起用は柔軟だったように感じます。
2015年以降も継続してレディースを努めてもらえるのでしょうか。
そんなSPL∞ASHのお披露目となったのが2014サンフレッチェ広島キックオフイベント。
ここでは、まさかのぶっつけ本番で恋するフォーチュンクッキーを踊るというイベントが。
雪かき
《佐藤寿人オフィシャルサイト 2014年2月9日付》
ファン感、会場がいっぱいになるくらいのたくさんの方々に来て頂き今シーズンへの期待を実感しました。
PVの撮影は何も知らなかったのと振り付けも今日、初めて見たので踊れていませんが・・・
知らない事に年齢を感じました(笑)
仙台時代のファン感ではモー娘。を踊ったので時代を感じますね。
メディアの露出も2014年はかなり増えたのではないかと思います。
中でも、ゴールデンタイムの全国放送、とんねるずのみなさんのおかげでした・ぶらり途中下車<貝>に佐藤寿人選手が出演したのは大きなニュースでした。
ローカルでは2013年からスタートしたTSSのサンフレッチェ魂が4月から毎月放送に。
《サンフレッチェ広島魂より》
これはサンフレッチェの価値が上がったこともありますが、2013年に現役引退された中島浩司さんが所属する株式会社ベアフットの存在もあるのではないかと想像しています。
前述した2014サンフレッチェ広島キックオフイベントでもベアフットの協力がありました。
ベアフットという外部組織と協力することで広報は更に柔軟になったのではないでしょうか。
2015年も番組が続きますように。
試合関連ではフィギュアスケートの町田樹さんを招くことが出来ました。
しかも、すごくノリがいい。
《サンフレッチェ広島より》
町田樹シートという席種も臨時販売するなど新鮮な企画でした*4。
サンフレッチェ広島といえばバナー芸…と言えるほど面白いものが作られています。
今回はその中でも、謎の力作が揃う「駆けつけ割」のバナーを中心に紹介していきます。
駆けつけ割とは、仕事などの関係で平日夜の試合のキックオフ時間に間に合わない人たち向けの商品で、キックオフ30分後以降なら全席種半額になるというお得な割引サービス。
それではまとめてどうぞ。
《サンフレッチェ広島より(リーグ再開)》
《サンフレッチェ広島より(J1・柏戦)》
おまけに試合関連で個人的にツボだったバナーを3つ。
《サンフレッチェ広島より(J1・柏戦)》
次回が通信簿最終回です。
*1:新席種『セブン-イレブン フィールドシート』設置および販売開始のお知らせ《サンフレッチェ広島 2014年2月3日付》。
*2:【2014Jリーグヤマザキナビスコカップ】準決勝第1戦、第2戦のホームゲーム入れ替えについて《Jリーグ 2014年8月19日付》。
*3:『2011シーズン サンフレッチェ・レディース』決定のお知らせ 《J’s GOALアーカイブ 2011年2月25日付》、『2012シーズン サンフレッチェ・レディース』決定のお知らせ《サンフレッチェ広島 2012年3月4日付》、「2013サンフレッチェ・レディース」決定のお知らせ《J’s GOALアーカイブ 2013年3月16日付》。
*4:7月27日(日) J1リーグ第17節 ヴァンフォーレ甲府戦 50席限定!『町田樹シート』 販売のお知らせ《サンフレッチェ広島 2014年6月17日付》。