サンフレッチェ広島 2015年通信簿(前編) ~もあぐれっしぶな一年だったので~
あけましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願いいたします。
昨年は2年ぶりのリーグ制覇。CWCにも出場し、優勝パレードも3年ぶりに実施。
12月は本当に選手監督もクラブスタッフも、もちろんファンサポーターも多忙を極めました。
だからというわけではないですが、CS小括も書かなくてはならず例年より遅くなりました。
大変申し訳ございません。
ただし、安心して下さい。サポカンは聞いてません。内容が被ったらただのダダ被りです。
ネタバレなどは気にせず2015年はそんな年だったなと軽く振り返ってもらえれば幸いです。
《J'sGoalより》
低評価を打破し、2012年に越えられなかった壁を突破し、殻を破った一年。
それではそんな2015年を振り返っていくことにしましょう。
[Ⅰ]2015年シーズンの成績…【大変よくできました】
大会 | 成績 |
---|---|
J1リーグ(1st) | 3位 |
J1リーグ(2nd) | 1位 |
J1リーグ(年間総合) | 1位 |
明治安田生命保険チャンピオンシップ | 優勝 |
ナビスコカップ | 予選リーグ敗退 |
天皇杯 | ベスト4 |
クラブワールドカップ | 3位 |
リーグ戦においては年間勝ち点74。
これは18チーム制となった2005年以降で最多の勝ち点。
得点73は歴代5位、失点30は歴代7位、そして得失点差43は文句なしの歴代1位です*1。
ナビスコカップこそ残念でしたが、文句の付けようのない一年だったと思います。
そのナビスコカップも若手に託し、あと少しのところでした。
また、12月の過密日程を乗り切ったチーム力は高く評価されるべきです。
そこで、選手起用の傾向を探るため過去5年間の出場試合数・時間を調べてみました。
2015年はACLがなかったからか、主力とサブがくっきり分かれています。
しかし、これを1試合あたりの数字に変換すると次のとおり。
このように、平均出場時間が90%以上の選手が皆無。
出場機会がなかったのはGK廣永遼太郎とDF川崎裕大の2人のみでした。
さらにいうと、ベンチ入りもできなかったのは川崎のみ。
その川崎がベンチ入りもできなかったのは大きな怪我をしたことが最大の理由*2。
実質、全選手に試合に絡むチャンスがあったと言うことができそうです*3。
出場試合数トップが浅野拓磨だったことも世代交代を感じさせる一年でした。
成績に比例して賞金も激増。
懐にもV効果、賞金既に3億円 天皇杯で加算も
《中国新聞 2015年12月7日20面》
J1王者に2年ぶりに返り咲いたサンフレッチェ広島が、賞金ラッシュに沸いている。今季はリーグ優勝を決めた5日までに約3億円が確定。10日開幕のクラブ世界一を決めるクラブワールドカップ(W杯)など公式戦は続き、さらに膨らむ可能性もある。クラブ経営は好転し、大きな追い風になっている。
初優勝した2012年に稼いだ3億2千万円を超えそうな勢いだ。J1年間勝ち点1位で8千万円、第2ステージ優勝で5千万円。チャンピオンシップ(CS)決勝を制して1億円。リーグ戦だけで計2億3千万円を手にした。
クラブW杯は、7チームで競う国際サッカー連盟(FIFA)主催の一大イベントだ。出場時点で7位賞金の50万ドル(約6千万円)が確約され、優勝すれば500万ドル(約6億2千万円)。優勝賞金1億円の天皇杯全日本選手権も準々決勝まで勝ち上がり、既に1千万円以上が決まっている。獲得可能な賞金は、最大で9億5千万円に上る。
最終的な賞金はJ1年間勝ち点1位の8千万円、2ndステージ優勝で5千万円、CS優勝で1億円、天皇杯ベスト4で2千万円、クラブW杯3位で250万ドルを獲得。
円高が進む昨今、CWC賞金の為替差損が発生しそうですが全体で5億円以上は堅いでしょう。
例年通り選手に6割、クラブに4割となるようですから2億円強ほどの臨時収入となりそうです。
ほっくほく。
[Ⅱ]入場者数…【よくできました】
2015年ホーム主幹試合の総観客数は332,223人を記録*4。
この数字は1993年・1994年に続く歴代3位の記録でした。
また、リーグ戦最終節の湘南戦は33,210人がスタジアムに結集。
11年ぶりに実施されたチャンピオンシップでは36,609人を集客しました。
3万人を超える試合は2012年最終節以来で、それぞれ歴代7位、歴代4位を記録しました。
一方、リーグ戦に限ってみると278,499人と30万人には大きく届かず。
優勝がかかった試合でないと大入りが難しいというのは変わらぬ課題です。
2015年に関しては8月の集客が落ち込んだのが痛かったのでしょう*5。
ただ、2015年はカープの影響が間違いなくあったはず。
決して悲観的になることなく、夏休みのイベント拡充などに取り組んでほしいです。
余談ですが、リーグ最終節ではアウェイサポーターのチケット割り当てを確保していました。
11月22日のアウェイ広島戦ですが全席完売となっておりましたが、この度「ビジターチケット(アライアンスチケット)」を再販することが決まりました!クラブ事務所のみでの販売です。詳細はこちらを→https://t.co/gXcJbpDRs4 #bellmare
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2015年11月11日
[Ⅲ]スポンサー・コラボ…【よくできました】
2015年はスポンサーに関しては厳しい一年になりました。
まず、2013年から2年間ユニフォームスポンサーを務めた万田酵素が撤退*7。
その前年までイズミはパンツスポンサーでしたが、左肩に移動。
代わりにマツダのSkyActiveがパンツに入りました。
左肩の万田酵素が撤退したことでマツダが穴埋めする形になったのだと考えられます。
次に、スポンサーページに表示されている会社数が減少しました*8。
ただ、これらの厳しさは当初から予想されていたことでした。
第13回サポーターズカンファレンスでは次のように説明されています。
第13回サポーターズカンファレンス
《サンフレッチェ広島 2015年1月17日》
【経営面について】
入場料収入以外の他の収入面に簡単に触れますと、2015年度の広告料収入はスポンサーからの優勝ボーナスやご祝儀受注が剥落しますので厳し目の年になると思います。2012年度の14.3億円と2013年度の13.9億円に対して2014年度は15.5億円の見込みですが、2015年度の予算は15億円をわずかに上回る程度と考えています。
このように、「優勝ボーナス」が終わったということなのでしょう。
2016年は優勝効果が間違いなく発生すると考えられます。
その優勝ボーナスが終わったときも多くのスポンサーに支援していただけるように、更なる努力が必要だと分かった一年でした。
その足場固めとも言える地道なスポンサー活動は頑張っていたようです。
特に目立ったのは企業とコラボした商品の開発。
《サンフレッチェ広島より》
《サンフレッチェ広島より》
サンフレッチェ側は話題性、企業側は知名度アップと販売促進。
両者がwin-winとなれる素晴らしい取り組みでしょう。
どうでもいい話ですが、レモンは買えたけどお米は買えなかったので今年もやってください。
変わり種としては戸田工業とキーホルダー型ICチケットもありました。
シーズンパスやPASPYとの連携・差別化はもうちょっと検討が必要でしょうけど。
《サンフレッチェ広島より》
2015年から新規スポンサーとなったすき家とのコラボ。
《サンフレッチェ広島より》
ゆめタウンでは年賀はがきセットも発売。
《サンフレッチェ広島より》
このように、スポンサー企業と連携するという点では積極的に活動していました。
単にフィールドに看板を出すだけよりも、こういう取り組みをする方がスポンサー企業も知名度アップに繋がるような気がします。
また、「たまゆら」とのコラボも2年ぶりに実現しました。
www.sanfrecce.co.jp
www.sanfrecce.co.jp
映像作品とのコラボは一時的ならともかく継続的には難しいもの。
映像作品の寿命がある限り、避けられるものではありません。
しかし、「たまゆら」は人気作となり、再度コラボすることが叶いました。
それはとても素敵なことだと思います。
広島バルト11で開催された「『たまゆら~卒業写真~』 第2部 響 -ひびき-」の舞台挨拶に、サンチェがサプライズで登場!フォトセッションでは、お客様と一緒に弓矢のポーズ!映画は現在、全国で公開中です!#sanfrecce #たまゆら pic.twitter.com/10pJiEEW42
— サンフレッチェ広島 公式 (@sanfrecce_SFC) 2015年8月31日
嬉しいこともあれば悲しいこともあり。
広島県呉市出身で、「たまゆら」の登場人物・八色ちもを演じていた松来未祐さんが亡くなられるという悲しい話題もありました。
奇しくも「たまゆら」とコラボした2013年・2015年は苦しみながらも優勝できました*9。
「たまゆら」と松来さんに関わることができたことは本当に幸せな思い出です。
ご冥福を心からお祈りいたします。
*1:リーグ首位としてに限定すれば得点は歴代2位、失点は歴代3位。
*2:川崎裕大選手の負傷について《サンフレッチェ広島HP 2015年3月4日付》、川崎裕大選手の手術について《サンフレッチェ広島HP 2015年7月9日付》
*3:2011年はDF西岡大輝、2012年はDF西岡大輝とMFイ・デホン、2013年はMFキム・ジョンソク、2014年はDF高橋壮也、DF大谷尚輝、DF吉野恭平がベンチ入りすることができなかった。
*4:2015年ホーム主幹試合は、J1リーグ、ナビスコカップ、明治安田生命チャンピオンシップの計21試合だった。
*5:3試合で45,076人、つまり1試合平均約1万5千人。また、夏休みに2万人の集客ができなかったのは2011年以来4年ぶり。なお、2011年はコンサートの影響で広島スタジアム開催があった。
*6:「チケット・アライアンス2015」実施決定のお知らせ《湘南ベルマーレ公式サイト 2015年2月11日付》
*7:新ユニフォームスポンサー(袖)に、万田発酵株式会社が決定!《サンフレッチェ広島HP 2013年1月11日付》
*8:新規・復帰が15社、撤退が20社。
*9:もっというと、コラボしいた試合は2戦2勝。2013年7月の第16節セレッソ大阪戦は高萩洋次郎のアディショナルタイム劇的ゴールにより1-0で勝利。2015年8月の2ndステージ第9節名古屋戦は5-2の大勝だった。