la vie en violette

サンフレッチェとサッカーに染まった日々

2015年 JFA臨時評議員会(15.12.23)について

[Ⅰ]協議事項

◆協議事項一覧

(01)評議員1名選任の件
(02)会長予定者選出管理委員会 設置の件

◆(02)会長予定者選出管理委員会 設置の件

JFA臨時評議員会を開催、2016年度予算は初の200億円の大台へ
JFA 2015年12月23日付》


そのほか会議では、会長予定者選出管理委員会の設置について協議されたほか、同委員会における評議員のうちの3名と補欠1名、JFAから完全に独立した立場の有識者2名が選出されました。評議員から選出されたのは、宮城県サッカー協会会長の大久保芳雄氏、岡山県サッカー協会の副会長・木村孝行氏、Jリーグ川崎フロンターレ代表取締役会長の武田信平氏、補欠は千葉県サッカー協会専務理事の大野辰巳氏。有識者2名は、学校法人二階堂学園理事の永島敦正氏、弁護士の安田博延氏です。


会長予定者選出管理委員会は、既に選出されている理事のうちの3名と補欠1名を含む11名で構成され、本日から、来年3月27日に開催される定時評議員会後の新理事会が終結までの約3ヶ月間、設置されます。


日本サッカー協会会長選が来年1月31日に開催されますので、その準備。
これまで密室で決まっていた会長選がオープンになるということで注目度は高くなってます。

日本協会会長、FIFA指導で選挙制に
《日刊スポーツ 2014年10月5日付》


 日本サッカー協会の会長選任が、約75人の評議員による投票になることが4日、分かった。
 これまでは評議員会の承認は必要だったが、事実上、数人の幹部で構成された役員選考委員会で推薦された人物が、そのまま会長になっていた。協会内の一部では「密室選出」ともいわれてきたが、今後はオープンな形となる。大仁邦弥会長(69)は9月11日の理事会で各理事に対して「次の理事会で原案を出します」と伝えている。


すでに原博実専務理事と田嶋幸三副会長の2名が出馬を表明しており、公約も示したようです。
なお、公約についてはJFAのサイトで公開されています*1

出馬表明の2人が公約説明…サッカー協会会長選
《読売新聞 2015年12月24日付》


 来年1月31日に行われる日本サッカー協会の会長選挙で立候補を表明している原博実専務理事(57)と田嶋幸三副会長(58)は23日、候補者推薦や会長予定者選出の権利を持つ協会評議員らに公約などを説明した。
 原専務理事は、J1・F東京の監督や協会技術委員長などを歴任した経歴を紹介する映像を流し、「もっと日本を強くしたい」と立候補理由を説明。「個(の選手)を育てたい。Jクラブ、地方、各種連盟と連携して取り組む。その潤滑油になりたい」などと訴えた
 田嶋副会長は、〈1〉育成システムの検証と改善〈2〉Jリーグのシーズン時期の移行〈3〉各都道府県協会の自立支援――などを公約として訴えた。田嶋副会長は「長い期間、協会に関わり、国際サッカー連盟(FIFA)の理事もしている中、思ってきたことを伝えられた」と話した。正式な候補者となるには、〈1〉評議員75人のうち7人以上からの推薦〈2〉1月21日の理事会での選出――のいずれかが条件。

協会会長候補の原博実氏と田嶋幸三氏がプレゼン
《日刊スポーツ 2015年12月24日付》


 日本サッカー協会の会長選挙で立候補者となった原博実専務理事(57)と田嶋幸三副会長(58)が23日、東京・JFAハウス内で理事、評議員向けのプレゼンを行った。約100人に演説と質疑応答を20分ずつ行った後、Jリーグの理事に向けて約1時間ずつ、ともに非公開で実施した。
 原氏は自らの現役時代の映像も用いてアピールした。「日本のサッカーをもっと強くしたい。シンプルに日本代表を強くたくましくしたい」と訴え、「キーワードはスピード、チャレンジ、オープンマインド」と話した田嶋氏は「育成日本復活。ここをしっかりしないと、将来の代表に影響がある」と訴えたという。加えて持論であるJリーグのシーズンの秋春制移行について「19年から秋春制に。18年から19年前半を3ステージ制でしたらどうか」と私案も披露した
 2人は来年1月21日に正式な会長候補者として告示される運び。次期会長を決める臨時評議員会は同31日に行われる。


この公約の中でも、特にシーズン移行についてはJリーグにも関係する話。
公約ではJFAJリーグの両輪と主張する割にはJFA側の視点だけなのが気になりますが…。
JFAでのプレゼンなのでそういうものと納得させることにします。


https://lh3.googleusercontent.com/ftpiJSxKj8PqEq2DSzseQHp5HoPCNrKe0-O10XT4Z7H3slb8WSP9oH01xhso5S1dV5jHk9kgVVAhhHH677hN6EmT6fp7u6WKBXou5y5ZKn7q7sBzDM7mLEjM9TwJDXRqGMfNb0LcJoC7Po0dgQPyHjXHR04-XOULRaca97s6pntjaJsNQtD2WFY5-D2i-Dros53H-ZEL7KU8GdGuiyOPdss2QIKT4uH4u0SCxAREwLldErbe3Oh8_ZBZO2-ZVO2wbnZtKsad-JCC5NhOSNJkoYVYdeHt9VX9XYDO3FU2ww243ow9Brc34SxMojWFuDKNH6Lw9UfVdPVOdtABHdKDlAwv9cLWWQ3mBiqMhvd92FLzb70VV_GcefqkG-EEvrmdes_IdodYwaD4qREvbwCuxR4yxJgTqmZP44_GEYesfofcb_eMsgqe6G3S_8znoqB-n9AAWSfdTeywS2aS34tHuqEi5Y4n0NlOUlr-VN7g3JkpEatwleOqprPBRArzW992a03Ya4-2IHsYxtcXkc_9Q0V8cltWX0pJx70jsu2pc44O5BD_RVbdB7LXW52AKKHiQqKt=w609-h457-no
JFA役員の選任及び会長の選定について 田嶋幸三氏活動書類-2より


これまでもJFA会長がシーズン移行を主張しJリーグ側が断るという形が続いていました。
したがって、JFA会長が推し進めればシーズン移行が成るというわけではありません。
しかし、影響は間違いなくあるはずです。今後の動向にも注目が必要でしょう。

[Ⅱ]報告事項

◆報告事項一覧

(01)2016年度 事業計画の件
(02)2016年度 予算の件
(03)役員の選任及び会長の選定に関する件

◆(02)2016年度 予算の件

JFA臨時評議員会を開催、2016年度予算は初の200億円の大台へ
JFA 2015年12月23日付》


2016年度の予算については、収入が約203億円、支出は事業費、管理費等で約192億円とし、これに特定資金の積み立てとして12億円、予備費1億円を計上。2001年に100億円を超えて以降、約15年で倍増となりました。


予算増額の主な要因は、日本代表スポンサーの契約が満額となったことやJFAユースディベロップメントプログラム等の収入増によるものです。


JFAの2016年度予算が報告されています。その内容は次のとおり。


https://lh3.googleusercontent.com/06E_gQMbdCIedtNODxNVcw8Wx-q6dKqXggadY0g-kCRaXkyX4QNP7uHPTO5XBo_sxSGoTLYBN0WlGUMrVdbJlxi20wQrctf0OmVaT1OLERYEkNIXvCQu-UfMB409bWT9Ma4ihYLJIvLIaT0S707dHCEoAhwwr7BoCID3Y5zlQ5PXq9qmyPUWiwvW1kMCOOpsvJlbYRu7oCmig8toGPYUm_s8c2dXGF-4TVTDy1BL9Tdm5Fef4nQla_mh1EQHT1hzeuuQ4-B0CLWKVRJof-75WC-cWeSi0PafaYIH3rL4fc9hWfkC5uv6A19-E6qJI61Jyi7b_1F5GKkwaW0ApCic_5zaVeUWzP6_TSoxXBQTWITnQ2QydbWl-0hZcQDwe0bCSfeLQPydkfR-JFGLtlpj8vFznUuH55fIOP1ePGnOheQHrWpmruZ5mxEu5MxdNsEkoWI03LgqqfCzxskbo23wTL47BR5juNEI5UFtmoxj3EEk2mY3r0sRAh3B4nsEqix04kcDZqOneCl8GiLXTV9O1eS20J0VcmkOPQaIn_b7ziziLTxh2SELox53Nzvamqpbqylj=w1334-h943-no
2015年JFA臨時評議員会(15.12.23)報告事項・協議事項関連資料No.2より》


時事通信などは経常収益が初めて200億円を超えたことを取り上げていました。

16年度予算、初の200億円超=サッカー協会
時事ドットコム 2015年12月23日付》


 日本サッカー協会は23日の臨時評議員会で、2016年度予算を承認した。経常収益は203億7404万円で、初めて200億円を超えた原博実専務理事は、経常収益について「今後数年、200億円で推移する」との見通しを示した。
 スポンサー収入など事業関連収益が伸び、前年度比で約20億円増。経常費用は191億5551万円、経常利益は約12億円を見込む
 来年度の事業計画も報告された。日本代表はワールドカップ(W杯)アジア最終予選(来年9月開始)進出を見込み、国際親善試合を6月などに3試合行う予定。女子ではなでしこリーグカップが3年ぶりに復活し、6~9月に実施する。


2015年度予算と2016年度予算で経常収益上の違いは次のようになりました。


https://lh3.googleusercontent.com/W6XczYSeipSz-TztwsyC6RtJFr1yYwUVCFkMKZrTxXJRSZxCeAHnj2ZHxV7kR0GXONx0rF5WIcaMwL2YId_d8A7F-YfNQm_Zrjy2XRuFzsq_oD9PWoYTdEXliZp6_8ffcIngq0PxyTOuLoabUblq-Sndc39YllU-4Ajluc8KFu8fnNzWqcZIi70bzsLn1fXdeHGugajdOoiBJDlAPIrnx4_FEAVlLeZE6bfjUsiZ1YQM1pC4GZStnSB5TXj_8XFS8FCgm2UvuKxmIbl9FdFg62QL7CBksft7tZc6c3XTKIInqB7RKmQVwPt58ukVOPRD6k-UJc-agl2VOr5i6F1taRlirZ1G9vZR56UqEBHFLPDhf-tVBO8jsDapIhROXCrm7kgj0GJnwF0hLP947lO-XldHlPY3SC-fa5K6C4el95au-y7E9iCf93XDRYmuCHzqp6VoXqG93SX5NzlJKdpePu9llYvQftPhsIYU4rRtFYMUCpzpmtrsI4GzzRfgo7iAqCNnES6HXITN037Kg6OqSL3ehZD4hKK9y05KJOZpwOqwsUFEkdXipqE5BRt_LlEWb1_q=w960-h720-no


これを見ると明らかなように代表関連と競技会開催で全体の75%近くを占めています
JFAが予算増加要因として「日本代表スポンサーの契約が満額となったことやJFAユースディベロップメントプログラム等の収入増」*2を挙げてあげていることと符合します。


代表関連が伸びたことには五輪開催年であることが関係しているかもしれません。
また、5年ぶりにキリンカップが復活したことも影響として考えられるでしょう。

5年ぶりキリンカップ復活 ~2016年間スケジュール発表~
JFA 2015年12月25日付》


復活した大会は「キリンカップサッカー2016」と銘打って、以前の3ヶ国総当たり戦から4ヵ国のトーナメント方式に変更となり、6月3日に愛知県豊田スタジアム、同7日に大阪市立吹田サッカースタジアムで行います。参加国とキックオフ時間は決定次第、発表の予定です。


ちなみに、JFAユースディベロップメントプログラムは来年1月立ち上げの新プロジェクト。
事業でスポンサーがつけば収益アップは当然の話ではあります。

「JFA Youth & Development Programme」2016年1月より始動 ~アンバサダーには北澤豪氏・大儀見優季選手が就任~
JFA 2015年12月22日付》


JFA Youth & Development Programme(JYD)とは
JFAが掲げる「JFA2005年 宣言」の理念とビジョンに基づき、継続的な日本サッカーの発展ために、 ユース年代のみならず、大学、シニア、女子、フットサル、ビーチサッカー、技術関連事業まで、日本サッカーの基盤を支える重要な各領域において、さらなる普及や次世代選手の育成を促進することを目的に実施される施策及びそれを構成する各大会・事業の総称。


余談ですが、2009~2015年度まで計上されていたPHQ*3事業関連がなくなっていました。
赤字事業ではありましたが、今後代替的なものを打ち出すのか気になります。



*1:役員の選任及び会長の選定について

*2:JFA臨時評議員会を開催、2016年度予算は初の200億円の大台へ

*3:レジデンツ・ヘッドクォーターズの略称。「PHQとは、団体ではカバーしきれないような特命事項を果たすJFAの組織であり、現在7名で構成」(スポーツ団体の果たす社会貢献とは ~JFAのキーパーソンに尋ねる~ 河口善優 早稲田大学土屋礼子ゼミジャーナル)される組織のこと。他に第17回「JFAコミュニティ 担当者インタビュー」(08.09.10)など参照。