第25節仙台戦 ~駐車場は有料化出来ないのか?~
《J1:第25節 広島 vs 仙台 - J's GOAL | フォトニュース》
試合での更新は実に2ヶ月ぶり。
サボってばかりで済みません。試合はほとんど見ているんですが。
仙台との直接対決を見事に制した広島が首位再浮上。
久しぶりの首位というのも良いものですが、上を撃ち落としての首位もまた良いもの。
去年までであれば先制したゲームなのに、追いつかれると脆く崩れてしまっていました。
しっかりと勝ち越しゴールを決めただけでなく綺麗にゲームを締めましたね。
ウェブ版にはありませんが、紙面のコーナーフラッグがとても良い記事です。
《中国新聞 2012年9月16日13面》
さて、早速本題。
この試合は天王山という意味だけではなく、一部から別の点でも注目されていました。
上の記事にも書かれていることではありますが、BAのアクセス問題です。
首位攻防戦混雑や渋滞続出
《中国新聞 2012年9月16日付》
J1サンフレッチェ広島が、仙台との首位攻防戦を迎えた15日、会場の広島ビッグアーチ周辺は、観戦に向かうサポーターたちで混雑した。駐車場は満車となり、試合の開始時間に間に合わない人も続出した。ビッグアーチ最寄りのアストラムライン広域公園前駅では、試合開始直前になっても駅とスタジアムを結ぶシャトルバスを待つ人が長い列をつくった。福山市の公務員平川裕基さん(24)は「キックオフには間に合いたい」と、歩いて向かうことに。
周辺には臨時を含め約2600台分の駐車場があるが、車はなかなか動かない。広島市中区の主婦川端由起子さん(42)は「いつもより2時間半も早く出たのに…。子どもだけは先に行かせた」と困惑顔だった。近くの山陽自動車道のインターチェンジも渋滞した。試合開始の時点でも車列は残った。警備員が「臨時駐車場も満車」とアナウンスを繰り返し、ドライバーたちは「もう観戦は諦めた」「初めて来たのに残念」と嘆いていた。
ナイトゲームで大動員がかかる試合ではどうしても浮き彫りになってしまいます。
この話に関しては、別の方のブログで綺麗に纏められていますので、そちらを参考に。
今回、当ブログでは「駐車場の有料・無料」をテーマに見ていきたいと思います。
[Ⅰ]他の地域を見てみる
↑↑↑ サンフレッチェ広島Part984 ↑↑↑
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/soccer/1347714667/4545 名前:仙[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 23:20:32.04 ID:5qahqoOJ0
>>33
これって今日より入った開幕戦とかはどうなの?
「こりゃ、新スタが必要だな」よりは「メインで使っているスタジアムなのに対策練らないフロントは無能なの?」と思ってしまう72 名前:U-名無しさん@実況はサッカーch[sage] 投稿日:2012/09/15(土) 23:33:59.06 ID:5qahqoOJ0
>>54
もしかしてシャトルバス&駐車場は無料なの?
思い切って有料にするのも仕方ないのかなと
この指摘を受けて頑張って調べてみました*1。
他のクラブは駐車場をどんな感じで運営しているのだろうか、と。
J1・J2全40チームにおけるホームスタジアムの駐車場の現在の設置状況が次の画像。
なお、もととなる白地図は【白地図専門店】からお借りしました。
全40クラブもあったためかなり時間がかかりました。
その上、どのクラブも自家用車での来場を嫌っているのか、ページの深いところ分かりにくいところで説明しているケースが大変多い…もうちょっと別のやり方はないのかと思いますが。
したがって実際とのズレは大いにあるはずです。参考程度と受け止めてもらえれば十分です。
- 無料駐車場を設置しているクラブ
…山形、水戸、栃木、草津、甲府、松本、富山、鳥取、広島、徳島、鳥栖、熊本、大分
⇒全13チーム
- 有料駐車場を設置しているクラブ
…札幌、鹿島、千葉、東京V、川崎、横浜M、横浜C、湘南、新潟、磐田、岐阜、G大阪、C大阪、神戸、岡山、愛媛、福岡、北九州
⇒全18チーム
- 駐車場を設置していないクラブ
…仙台、浦和、大宮、柏、F東京、町田、清水、名古屋、京都
⇒全9チーム
こんな結果となりました。
地図を見てもらえれば分かるかと思いますが、無料駐車場があるのは比較的地方都市。
逆に有料駐車場は関東・関西などもあれば地方もあるといった感じです。
設置台数はまちまち。
公園の既存の駐車場を使っている場合も多いからでしょう。
価格については公園設定のものもあれば、鹿島のようにソシオ優待という形もあります。
また、千葉、東京V、神戸などは事前の有料チケット申込制を取っています。
なんとなく新潟は無料大規模駐車場ってイメージだったのですが有料なんですね。
感覚的ではありますが、駐車場の実質有料化が増えているような気がしています。
この記事を書く前までは「有料化は無理だろう」派だったのですが。
調べていくうちに現実的に可能なら検討しても良いのかもしれないと思うようになりました。
[Ⅱ]広島の事情を見てみる
では、他クラブで出来ているのに何故BAの駐車場を有料化できないのか。
第8回サポーターズカンファレンスの質疑応答にクラブからの説明がありました。
4.観客動員とイベントについて(森脇企画広報部長)
《第8回サポーターズカンファレンス議事録》
質問
今回、減資増資ということで社長他ご苦労が多いと思います。減資に関してはよく決断されたと個人的には思っております。一つ気になるのは、赤字ということは収入より支出が多いと考えてよろしいですね?収入を増やす方法は今の時点でないのか?ということです。ビッグアーチは市の持ち物だと理解しておりますが、例えば駐車場については有料にできないのでしょうか。
西風新都からシャトルバスが出ていますが、これは無料です。普通なら利用者負担の原則があると思います。愛媛FCも駐車料金が必要ですし、神戸ユニバーもほとんど同じ規模の競技場と思いますが、イベントがある際は1000円となっています。何もない時は500円。また、万博記念公園の駐車場は1500円です。無料なのは、ありがたいと思いますが、赤字でもあり、収入を得るために駐車料金をとることはできないかと感じています。
回答(本谷社長)
ビッグアーチ内の駐車場の有料負担について、ビッグアーチは公園という位置づけです。駐車場の確保を、サンフレッチェのみで専有することはできません。一般の市民の方も含め皆様に利用されています。従って、有料化は難しいです。しかし、臨時駐車場からのシャトルバスの有料化は、今検討しているところです。ただ、来シーズンからすぐやるかというとそこまでの結論は出ておりませんが、最小金額のワンコインで何度か試行してみたい気持ちはあります。
広島市の条例規則を読んでみましたが、料金に関する規定は見つけられませんでした。
ちなみにざっと読んだのは広島市公園条例と広島市公園条例施行規則。
現在、広島広域公園の所有者は広島市、指定管理者は広島市スポーツ協会となっています*2。
したがってBAの駐車場を有料化するかしないかは市と指定管理者次第なのでしょう。
この広島市スポーツ協会が管理運営しているのは広域公園だけではありません。
東区牛田新町にある広島市総合屋内プールもその1つ。
そして何故かここの正面駐車場は有料になっています。
市営正面有料駐車場について
《公益財団法人広島市スポーツ協会 2018年2月8日閲覧》
3 駐車料金
2時間まで、30分ごとに50円
2時間超え、30分ごとに100円
この駐車場は「東区スポーツセンターと兼用」と書いてあります。
もしかしたらそのあたりが影響しているのかもしれません。
ただ、施設所有者が同じで施設管理者が同じで用途目的がほぼ同じ。
同じようにやることだって出来そうなものですが。
[Ⅲ]おわりに=駐車場を有料化する意味とは
ここまで駐車場のことを浅く見てきました。
結局何故駐車場の有料化という話になるかを最後にしておきたいと思います
今回の話のそもそもの発端は広島広域公園のアクセス問題。
あれをどうにかしないと更にお客さんは減ってしまうし、増やすことも難しい。
その対策として駐車場の有料化は1つの検討材料でありましょう。
駐車場有料化によって見込まれるのは次の3点
アストラムライン利用者としては、もっと皆活用した方が楽だと思っています。
広島広域公園までの交通手段を一通り試しましたが、相対的には一番マシです。
駐車料金がかかるならとアストラムラインの利用が増えるかもしれません。
2つ目は、駐車場の差別化。
有料でも近くの駐車場に停めたい人と無料で遠い臨駐に停めたい人がいると思います。
また、鹿島などのように会員によって差を付けても良いでしょう。
ニーズを細分化することで、より良いサービスの提供が可能になります。
そして3つ目が駐車料金による収入の確保。
これは施設管理者ではないため利益確保までは難しいとは思います。
臨時駐車場の方も好意で借りているところも多いと聞きます。
また、あまり無茶をやると観客が減る要因になる点も注意が必要です。
今回は1つ目の公共交通機関の利用促進とマイカー利用減がメイン論点でした。
実際に有料化すれば全てが解決するかというとそうではないでしょう。
それでも何かチャレンジしていかないとじり貧なのも確かです。
その一つとして、改めて検討してみても良いのではないかと思います。
社長の仰るとおり、可能であれば色々と試してみて欲しいですね。
スタジアム建設の話が進んだとしてもすぐに出来るものではありません。
それまで広島広域公園でどうやりくりするか考えていかないといけないのですから。