【修正中】サッカースタジアム検討に係る調査業務の企画提案及び受託事業者について
先日、サッカースタジアム検討協議会において委託する、サッカースタジアム検討に係る調査業務の企画提案及び受託事業者が決定しました
「サッカースタジアム検討に係る調査業務」の受託業者の決定について
《広島県サッカー協会 2014年6月3日閲覧》
平成26年5月22日(木)に開催した「サッカースタジアム検討に係る調査業務プロポーザル審査委員会」において、下記の団体を本業務の受託候補者として決定し、6月2日、契約を締結しました。
日本総研・復建調査設計グループ
代表会社:株式会社日本総合研究所 大阪本社
構成会社:復建調査設計株式会社
以前、サッカースタジアム検討協議会の構成メンバーについてまとめました。
今回も簡単に日本総研・復建調査設計グループについてまとめておきたいと思います
"スタジアムは、街づくり"について本気出して考えてみた(中編)は来週更新します
①サッカースタジアム検討に係る調査業務の公募型プロポーザル
まず、公募型プロポーザルがなんだったのかについて簡単に説明しておきます。
これはサッカースタジアム検討協議会において、より専門的な見地から協議会に情報を提供するため専門機関に一部業務を委託したものです
業務内容については長いですが、次の通り
サッカースタジアム検討に係る調査業務仕様書
《広島県サッカー協会 2014年6月3日閲覧》
2 業務内容
(1)業務を実施するに当たっての前提条件
ア 各候補地の対象エリアは別図のとおり。ただし、対象エリアの隣接地の活用については、適宜、協議会に確認する。
イ スタジアムの設備等は、日本サッカー協会の「スタジアム標準」に準拠し、Jリー グ「スタジアムの未来」を参考とする。
ウ 各候補地スタジアムは「スタジアム標準」にあるクラス1の大会が誘致可能な規模 である3万人程度をベースとする。(絞り込みの段階で、別の規模とする場合もある。)
エ 広島都市圏のまちづくりや圏域の発展に資する提案とする。
(2)各候補地に係るスタジアムの基本コンセプトの提案
(3)候補地の絞り込み手順等の提案
(4)以降の業務を進める前段で、現在5か所の候補地を、立地特性や法的規制、アクセス条件、まちづくりの視点等の基礎調査を踏まえ、さらに絞り込むための手順・方法(調査項目等)を提案
(4)候補地に係る来場者需要予測や立地特性等の分析に基づく適正なスタジアム規模の検 討及び提案
現在のエディオンスタジアムにおける顧客ベースと付加する機能の効果による新規 顧客に対するマーケティング分析による適正規模の提案及び入場者数予測(将来に おける顧客層の増減、周辺施設との競合・相乗効果に伴う需給環境等の変化の可能性も考慮)
(5)候補地の立地特性や交通インフラ等を考慮した交通需要予測(アクセス、輸送量、渋滞問題、特に3万人程度来場時の利用交通手段の考え方)及び必要な周辺インフラ整備に関する提案(駐車場利用・設置可能台数の算出・評価を含む)
(6)候補地に係る県・市の地域ビジョンや商圏需要予測に基づくサッカースタジアムに付加すべき機能の検討及び提案
多機能化の需要の潜在性(一般利用ニーズの潜在性、法人需要の潜在性)、競合・共 存施設の分析に基づく提案
(7)上記(4)から(6)に基づき、絞り込まれた候補地に係る諸前提に関する検討・提案 (候補地のメリット・デメリット、デメリットの解決方法、解決に要する時間とコス ト等を含む)
建設コストの試算、制度面の考慮や過去の事例等を踏まえた建設資金の調達方法の 検討、建設・運営主体のあり方の検討、キャッシュフローの予測、収支(サッカー競技及び多機能化による収入と支出)の予想分析、経済波及効果の分析、周辺インフラ整備コストの概算等を行い、スタジアム整備の考慮点について提案(鳥瞰図、平面図を含む)
(8)協議会での議論に資するための資料及び協議会から県・市・経済界へ提案する「サッ カースタジアムのあるべき姿」を整理した資料の作成並びに業務の実施手順・スケジ ュールの提案
上記(1)~(8)を調査する業者がこのたび決定したというわけです
日本総研・復建調査設計グループというのは、株式会社日本総合研究所と復建調査設計株式会社で構成されていることから、この2者について簡単に知っておきましょう
②株式会社日本総合研究所
株式会社日本総合研究所(以降、「日本総研」)は三井住友FGのシンクタンク。
本社は東京に構えていますが、今回関わってくるのは大阪本社のようですね。
広島でこれまで手がけた業務は見つかりませんでした
「日本総研」の特徴は何と言ってもスタジアム業務でしょう
北九州市/新球技場PFI/11月中に実施方針案公表
《建設通信新聞 2014年6月3日閲覧》
北九州市は、JR小倉駅北口の北九州国際会議場隣接地(小倉北区浅野3丁目)にPFIで計画している(仮称)新球技場整備事業の実施方針案を11月中に公表する。日本総合研究所・電通九州・アール・アイ・エーグループで策定を進めており、実施方針案と要求水準書案を公表し説明会などを行った後、12月に正式な実施方針の公表と合わせて事業者選定に向けた総合評価一般競争入札を公告する意向だ。
総合評価一般競争入札の公告後、本年度内に参加申請などを受け付け、14年度の第1四半期で提案審査を行い、夏ごろをめどに事業者を選定し仮契約を結ぶ見通し。同年度の9月議会に諮り承認を得て正式契約し、設計・建設に着手する。
新球技場はサッカーJリーグ2部(J2)のギラヴァンツ北九州のホームスタジアムとして計画。J1の基準を満たす収容人員1万5000人規模で、ラグビートップリーグの公式戦なども開催できる施設とする。将来的な2万人規模への拡張も視野に入れており、その場合は海上部にバックスタンドを拡張するとしている。事業方式はBTOで、Jリーグ開幕に合わせ17年3月にオープンし、31年度末まで維持管理・運営を行う。
市では、本年度の9月補正予算で31年度までの限度額95億6538万円(うち本体設計・建設費78億1600万円、維持管理・運営費15億円)の債務負担行為を設定している。
このように、北九州市の新球技場整備に深く関わっている模様
また、スタジアム建設募金団体(ガンバ大阪)も関わっている、万博スマートコミュニティモデル構築事業にも参画しているようです
その他では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴い整備する新規恒設施設の事業性等検討業務委託についても受託しています
五輪開催準備が加速/東京都が調査業務2件公告
《建設通信新聞 2014年6月3日閲覧》
◆コンセプト具体化/新規恒設8会場
一方、臨海部に新規整備を計画する恒久施設は、▽夢の島ユースプラザ・アリーナAおよびB▽オリンピックアクアティクスセンター▽有明アリーナ▽若洲オリンピックマリーナ▽海の森水上競技場(ボート競技場)▽大井ホッケー競技場▽葛西臨海公園(オリンピックカヌースラローム競技場)▽有明テニスの森--の8会場。
委託業務では、8会場を対象に大会開催後もスポーツ施設として利活用され得る施設コンセプトを定めていく。合わせて、事業スキームの検討や採算性に関する分析も行う。
関連する事業者などへのニーズ・マーケティング調査により、施設コンセプトの方向性を探る一方、運営面を含めた事業スキームを検討。各施設の事業採算性を分析、評価する。また、各施設が地域の中でどう位置付けられ、どのような役割を果たすべきか、地域特性と融合したエリアコンセプトの検討も進める。
スタジアム単体だけではなく、周辺のデザインもやっている様子。
事業スキームや採算性の分析などは日本総研が担当することになりそうです
(おまけ)少し古いコラムですが参考までにどうぞ
【参考①】
ポスト2002のサッカースタジアム整備・運営
《日本総合研究所 2014年6月3日閲覧》
【参考②】
巨大スタジアムは負の遺産なのか ~日本版PPPの推進モデル施設に~
《日本総合研究所 2014年6月3日閲覧》
【参考③】
「臨場感」が生み出す「親近感」(カレッジフットボール)
《日本総合研究所 2014年6月3日閲覧》
③復建調査設計株式会社
復建調査設計株式会社(以降、「復建」)とは、社団法人復興建設技術協会中国四国支部が1960年に株式会社化して誕生した企業
【参考】
復建調査設計株式会社 小田 秀樹
《広島の社長.tv 2014年6月3日閲覧》
現代表の小田秀樹氏は広島県福山市出身。
本社も広島市に存在することから広島との縁は深いようです
「復建」の手がけた業務の1つに2005年の現球場跡地利用に関する提案があります。
当時の提案は"ヒロシマ平和の杜の創造"というもの
《広島市民球場跡地利用検討会議(第1回) 資料4-2 提案21より》
《現球場(広島市民球場)跡地利用の方向性について(報告)より》
広島市民球場跡地利用検討会議は見事パス。
しかし、広島市民球場跡地事業計画案及び事業予定者の選考では条件面が整っていないため、最終選考から外れる結果となっています
その他にも、基町住宅地区活性化のための調査・検討等業務の公開プロポーザルや広島南道路太田川放水路橋りょうデザイン提案競技選考等にも積極的に応募しているようです
業務内容に目をむけると非常に多岐に渡っていることが分かります。
その中でも、交通計画やその分析に長けているというのは特徴的です
おそらく経済波及効果や交通計画の調査を担当するのではないでしょうか
もちろん業務内容で分担するとは限りませんが。
もしかしたら参考になるかもしれません