サンフレッチェ広島 2016年通信簿(その一)
あけましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願いいたします。
2016年を漢字一字で表すJ'sGOALの企画。昨年は「耐」が選ばれていました。
《J'sGOALより》
負傷者の続出や移籍で選手が去って行く中、チームは良く耐えた一年だったと言えます。
一方でチームの外でもトラブルは多発しており、「厄」でもいいような一年でした。
いいことも悪いことも盛りだくさんだった2016年。
早速ではありますが、例年通り通信簿形式で振り返っていきましょう。
※なお、本記事に第15回サポーターズカンファレンスの内容は含まれておりません
[Ⅰ]2016年シーズンの成績…【もう少し頑張りましょう】
大会 | 成績 |
---|---|
J1リーグ(1st) | 4位 |
J1リーグ(2nd) | 10位 |
J1リーグ(年間総合) | 6位 |
ルヴァンカップ | ベスト8 |
天皇杯 | ベスト8 |
AFCチャンピオンズリーグ | グループリーグ敗退 |
富士ゼロックス スーパーカップ | 優勝 |
2016年のチーム成績は上記の通り。
ゼロックススーパーカップは通算4戦4勝となり、鬼のような強さを発揮しています*1。
一方、2015年からの2度目のリーグ連覇とはなりませんでした。
これは前述したとおり、離脱者が続出したことと無関係ではなかったと思います。
特にDFラインとシャドーには離脱者が続出。
野上結貴とアンデルソン・ロペスを獲得し、イヨハ理ヘンリーのトップ昇格させるなど手を打ちましたが、セカンドステージは10位と振るわず、CS進出も叶いませんでした。
また、ルヴァンカップはKOステージからの登場でしたが準々決勝のG大阪の牙城を崩せず。
天皇杯は鹿島に敗れ、佐藤寿人と森崎浩司のラストゲームを飾れませんでした。
ここまでは過密日程と負傷者の続出、移籍もあって仕方がないと納得できなくはありません。
2016年シーズン最大の悔いはACLの不甲斐ない結果でありましょう。
サンフレッチェ広島は2016年シーズ「挑戦」というスローガンを掲げました。
これには「国内タイトルとACLに挑戦する」という想いが込められています。
サンフレッチェ広島「2016チームスローガン」決定のお知らせ
《サンフレッチェ広島 2016年1月9日付》
2016シーズンも森保監督の下、選手、スタッフ、フロント、サポーターの皆様、関係者の皆様、サンフレッチェ広島に関わる全ての方と共に戦うという基本方針のもと、新たなことに挑戦していきます。新たな企画、新たなプレー、その挑戦の先に国内タイトル、そしてACLの優勝があると信じています。
その強い決意をスローガン「WE FIGHT TOGETHER 2016 挑戦」と表現しました。
このため、クラブはかなりのリスクを負ってACLに懸けていました(その二で述べます)。
しかし、初戦のホーム山東魯能戦を落としたことが最後まで響き、3勝3敗で敗退。
2014年シーズン以来となるKOステージ進出とはなりませんでした。
広島という地方都市のクラブがACLを戦うのは容易なことではありません。
予算規模においても、移動距離においても他都市のクラブには劣っています。
また、CWCと天皇杯によってオフが非常に短かったのも負傷者続出の遠因でしょう。
2015年シーズンのキープレーヤー、ドウグラスを残留させられなかったのも痛手でした。
そのような事情があったことは我々サポーターは分かっています。
それは分かった上で、それでも2015年のCWCで垣間見えた「世界への挑戦」が叶わなかったことは、とても残念だったのです。
[Ⅱ]スポンサー・コラボ…【大変良くできました】
2014年シーズンが無冠だったこともあって、スポンサー関係は苦しかった2015年シーズン。
それに対して、2016年シーズンは前年の優勝の影響で充実していたように思います。
まず、マツダに穴埋めしてもらっていたパンツスポンサーに福山のテラルが入りました*2。
そして、ACLユニフォームは例年通りマツダがスポンサーに。
さらに、下部組織のユニフォームの胸部分スポンサーにイズミが手を上げました。
また、2017年シーズンの話題ではありますが、2016年シーズンから解禁されたユニフォームの背中裾部分に広島銀行がスポンサーとして入ってくれることになっています。
このように大口スポンサーとの契約は非常に順調だったと言って良いでしょう。
例年ホームゲームをスポンサードする企業が広告としてうちわを配布することがあります。
それを2016年シーズンは一般に広く募集したというのも印象的でした。
《サンフレッチェ広島より》
大口の契約は難しいけど支援はしたいという企業に対するアプローチ手段は重要です。
ただ、既存の広告枠を安く売ることは将来に禍根を残すことにも繋がります。
その意味で今回募集したうちわ公告というのは面白い試みなのではないでしょうか。
また、サンフレッチェ広島公認の商品が複数登場したのも2016年の特徴でした。
まず、サンフレッチェ広島オフィシャルフラワー「Moondust(ムーンダスト)」。
新加入記者会見やホームゲーム試合前の花束贈呈セレモニーなどで使用されるそうです。
これは、非常に実用的で良いアイディアだと思っています。何より美しい。
《サンフレッチェ広島より》
続いて、やしまオリジナルサンフレッチェゆかた。
夏のホームゲームイベントにも合うでしょうし、何より色合いがいい。
《サンフレッチェ広島より》
畑山農園、宮脇農園、K&A FARM、@landのサンフレッチェ応援水菜。
昨年発売されたサンフレモンとサンフレッチェ広島応援米に続く農作物コラボ。
私はまだお店で見つけられていません。是非食べてみたいのですが。
《サンフレッチェ広島より》
最後に、メランジュ ドゥ シュハリの「サンフレッチェマカロン」。
サンフレッチェマカロンは少し前からあったような気もしますがこの度公認に。
お土産にもいいでしょうし、お金を出し合って買うのもいいと思います。
ただし、食べ終わった後に箱を誰が貰うかでもめる可能性がありますのでご注意下さい。
《サンフレッチェ広島より》
この他にもスポンサーとのコラボはありましたが長くなるので割愛させて下さい*3。
こういったコラボ企画が広がるのはサンフレッチェ広島が地域に根差していることの証左。
どんどんと面白い企画・商品が出てきて欲しいなと思います。
最後に、将来に向けた重要な取り組みが3つありましたのでご紹介致しましょう。
一つ目は、福山大学との共同事業です。
~サンフレッチェ広島初~ 福山大学2017年度前期に、教育提携講座「スポーツマネジメント論」開講のお知らせ
《サンフレッチェ広島 2016年12月13日付》
福山大学×サンフレッチェ広島 教育提携講座「スポーツマネジメント論」
現代社会では、スポーツは、これまでの体育という概念を超え、競技としてのスポーツだけでなく、健康産業を含むスポーツビジネス、あるいはスポーツを通じた地域活性化の役割が期待されるなど、幅広くスポーツが取り扱われるようになっています。すなわち、少子高齢社会の日本において、今後ますます、スポーツ・健康産業に従事する人材が必要とされ、専門的に学んだ人材の活躍の場が広がることが予測されます。従って、本講義では、スポーツの現場で実際に活躍している人を講師に招き、オムニバス形式で、スポーツマネジメントの全体像を学ぶことを目的としています。
単位認定となる全15回の講義は、株式会社サンフレッチェ広島が全面協力し、クラブ職員や選手OBをはじめ、スポンサー、サプライヤー、メディア、その他スポーツ団体からも外部講師を招き、スポーツマネジメントについて学ぶ内容となります。
クラブ経営に携われるような人材育成はサンフレッチェ広島に限らずJリーグ全体の課題。
それを地元の大学で実践できるというのは良い取り組みだと思います。
二つ目は、広島県が仲立ちする形で販路開拓マネージャーを募集したこと。
広島県は広島県プロフェッショナル人材戦略拠点という取り組みをしています。
これは、県内の中小企業にプロフェッショナル人材の活用を促すことを目的とする施策*4。
今回の販路開拓マネージャーの公募もその一貫ということです。
どのような形になったのかは分かりませんが、いい結果が出ているといいですね。
三つ目は、選手主体でのマスコミ・行政・スポンサー訪問*5。
感謝胸に選手走る 企業・官公庁回り一層の支援訴え
《中国新聞 2016年11月30日》
J1広島の27選手が29日、スーツ姿でスポンサー企業や役所など官公庁へのあいさつに回った。例年はクラブ職員が行っていたが、選手会の発案で初めて実施。今季の支援への感謝を伝え、来季のサポートを求めた。
選手は2人一組になり、広島県庁やマツダなど27カ所を訪問。森崎和と増田は、広島市南区の田中学習会を訪ねた。田中弘樹塾長に年間6位に終わったリーグ戦の結果を報告。サインボールなどのグッズを手渡した。田中塾長は「選手と実際にふれあい、応援する時の見方が変わる」と笑顔だった。
これは、2016年シーズンの特殊な日程が合ったからこそ実現したことです。
2017年以降も実施できるかというとなかなか難しいかもしれません。
しかし非常に価値ある取り組みだったと思います。
このように2016年は地域企業との関係性が充実していた一年だったのではないでしょうか。
*1:余談だが、出場回数1位は鹿島の9回、2位はG大阪の6回、3位は、東京V、横浜M、磐田、広島の4回。優勝回数1位は鹿島の5回、2位は広島の4回、3位は東京Vと磐田の3回。優勝率100%は広島のみ。謎の無類の強さ。
*2:2015年シーズンのパンツスポンサーはマツダのスカイアクティブ・テクノロジーのロゴだった。2015サンフレッチェ広島 新ユニフォーム決定のお知らせ《サンフレッチェ広島 2015年1月16日付》、サンフレッチェ広島、ストライプ柄の2015新ユニフォームを発表!《Qoly 2015年1月16日付》。
*3:紹介できなかったコラボには次のようなものがあった。サンフレッチェ広島応援「サンフレッチェWiMAX2+」販売開始のお知らせ《サンフレッチェ広島 2016年2月3日付》、中国電力の電気を使うと、サンフレッチェ広島の更なる強化につながる!『サンフレッチェ広島サポートメニュー』10月(予定)受付開始のお知らせ《サンフレッチェ広島 2016年7月8日付》、エディオン広島本店新館にて、双眼鏡アリーナH8X21WP~サンフレッチェ広島バージョン~ 好評発売中!!《サンフレッチェ広島 2016年9月30日付》、~初登場!~キリン一番搾り サンフレッチェ広島応援デザイン缶 350ml2017年2月に数量限定発売のお知らせ《サンフレッチェ広島 2016年11月21日付》、すき家“ZENSHO CooCa(クーカ)”発売記念『広島限定 サンフレッチェグッズもらおうでぇ!!』キャンペーン実施のお知らせ《サンフレッチェ広島 2016年12月1日付》。
*4:拠点の概要《広島県プロフェッショナル人材戦略拠点 2017年1月25日閲覧》
*5:サンフレッチェ広島の選手が、マスコミ・行政・スポンサーの皆様を訪問《サンフレッチェ広島 2016年11月30日付》