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サンフレッチェとサッカーに染まった日々

【修正中】第4回旧広島市民球場跡地委員会(8月10日)のためにおさらいしておきましょう 後編

全3回となるこのシリーズは今回で最後。
4日の試合や6日の平和式典を鑑みてこんな強行スケジュールとなってしまいました。
読みにくかったら非常に申し訳ないです

いずれ時間のあるときに、もうちょっと綺麗に分かりやすくまとめたいと思います

前々回前回とこれまでの流れを辿ってきました。
では、最終回となる今回は実際に今広島市がやってることを見ていきましょう

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旧広島市民球場跡地委員会と検討グループ会議ってなによ
旧広島市民球場跡地委員会(以下「委員会」ともいう)とか検討グループ会議とか…。
そういう字面だけでは何がなにやらという感じ

そういうときはみんな大好き(?)条文を見ていきましょう

旧広島市民球場跡地委員会設置要綱pdf注意
広島市 12年8月8日閲覧》

(設置)
第1条 旧広島市民球場跡地について、「若者を中心としたにぎわいのための場」にしていくという方向性の下、活用方策を検討するため、各界各層から意見を聴く旧広島市民球場跡地委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

(所掌事務)
第2条 委員会は、次に掲げる事項について議論する。
旧広島市民球場跡地の活用方策に関すること。
旧広島市民球場跡地周辺の回遊性向上策に関すること。
⑶ その他前条の目的を達成するために必要な事項に関すること。

(検討グループ)
第6条 委員会は、必要があると認めるときは、委員会の中に検討グループを設置することができる。
2 検討グループのメンバーは、委員長が委員の中から選任する。


なるほどわからん

この第6条をもとに、第2回の委員会で設置されたのが検討グループ会議です。
つまり、親組織が委員会で、子組織が検討グループ会議という感じ

その関係から全体を把握することにしましょう

atochi_shiryou04

画像にするまでもないものですが、直観的にしてみました。
このように、検討グループ会議である程度議論し、その内容を親組織である委員会に持ち帰って議論をするという二層構造になっています

つまり、8月10日に開催される第4回委員会は第3回と第4回の検討グループ会議の内容を踏まえたものになるわけです

どんなテーマでやってるかというと、第3回検討グループ会議の資料が分かりやすい

Ashiryou02

こんな風に3段階に分けてやってるんですね。
なんか「段階」って単語がゲシュタルト崩壊してきたけど


⑨第3回旧広島市民球場跡地委員会までで議論されたこと
今回は時間が無いので、まずは第3回委員会まででやったことをダイジェストで

◆第1回旧広島市民球場跡地委員会
基本的には各委員の自己紹介と、この委員会の進め方について。
その中で注目すべきは杉山旧市民球場跡地担当課長(当時)の発言

第1回旧広島市民球場跡地委員会 議事要旨pdf注意
広島市 12年8月8日閲覧》

杉山旧市民球場跡地担当課長(発言一部抜粋)
 3 点目、この委員会のまとめの話であるが、副委員長が言ったように最終的な決定は市の方でと思っている。この委員会では一本にまとめるということではなく、多様な意見があると思うし、いろいろ、よいところや悪いところなど御意見をお寄せいただき、そういった意見を踏まえて最終的には市が決めると、決定するということを予定している。

杉山旧市民球場跡地担当課長(発言一部抜粋)
 直接的な答えにはなっていないかもしれないが、球場跡地の周辺にある施設として、青少年センターやこども文化科学館といった施設がある。いずれの施設も老朽化が進んでおり、建替時期がいつかは来る。青少年センターにいたっては、建替時期が到来している状況にある。そういった意味では、この建物を必ず残さなければならないということは我々も思っていない。必ずこうでないとならないというものについて私どもは今、ある意味白紙状態であり、現地で建て替えること、移転させること、あるいは集約すること、更地にすること、いろんな御意見があろうかと思うが、そういったことも含めて御議論いただければと思う。


要するに、全面的に白紙であるそうで。それがいいことか悪いことかはさておき。
あと、この委員会で決まったことは最終決定稿じゃないそうです

◆第2回旧広島市民球場跡地委員会
前回の自己紹介の時に出されたアイディアに追加して各人のアイディア披露会。
あとは検討グループ設置が承認されたくらいです

アイディアに個別に触れる余裕はないので、興味のある人は広島市のHPへGO!

【参考】
委員会の開催状況
広島市 12年8月8日閲覧》


◆第1回検討グループ会議
これまでで最も議論が活発だった会議…だと思います

球場跡地の活用のテーマとなる考え方、理念についてまず意見交換。
テーマは以下の通り

  1. 広島の都市像「国際平和文化都市」との関連
  2. 球場跡地は過去を振り返る場なのか、これからの未来を志向する場なのか
  3. 経済活動を優先すべきか、非経済活動を優先すべきか
  4. 将来の社会環境の変化にどう対応するのか


続いて跡地活用の方向性についての議論を以下のテーマで

  1. 集客の対象
  2. 都市機能の分担
  3. 回遊性の向上


多少ぼんやりとした内容でしたが、実りあるものだったように見えました

◆第2回検討グループ会議
評価の視点の整理をしようという趣旨。
テーマとなる考え方、理念と加味すべき視点の位置づけで若干紛糾。
最終的に「広島らしさ」が重要であるということでその議論をして終了

詳細な話になるとなかなか相容れない主張があるようで

◆第3回旧広島市民球場跡地委員会
検討グループ会議に委員会メンバーが全員参加している訳ではありません。
そのため、第1回・第2回検討グループ会議でやったことの説明からスタート

その結果、「広島らしさ」を初めとした言葉の定義に終始する形に。
この言葉が大変印象的でした

第3回旧広島市民球場跡地委員会 議事要旨pdf注意
広島市 12年8月8日閲覧》

西田委員(発言一部抜粋)
 検討グループ会議の資料を時間がある限り読ませていただいたが、実は読むごとに何をどうすればいいのか分からなくなった。


ここまで何をやってきたかというと、主に意見交換でしょうか。
旧広島市民球場跡地をどのような視点で見るかという大枠は出ていたように思います。
一方で個々人の意見には隔たりがあるのかなという印象を受けました

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⑩第3回検討グループ会議と第4回検討グループ会議
こんなサブタイトルを付けておきながら第3回検討グループ会議はあまり中身がありません。
というのも、第3回委員会と第4回検討グループ会議の繋ぎ的話がメインだったから。
主に評価基準の話と制約条件の話、そして一部委員から提案があったくらいです

ただ、「マスコミの方や議会などからスピード感がないという批判」(下村副座長)を受けて次のような意見が出たのですが、この提案によって大きく会議の方向性が変わります

第3回検討グループ会議 議事要旨pdf注意
広島市 12年8月8日》

荒神原旧市民球場跡地担当課長(発言一部抜粋)
棚多委員の言われたことを私なりに斟酌すると、市内の大規模未利用地は他にもあるため、そちらに持っていった方がよりふさわしい機能があるのではないか、そういった機能をそちらに持っていくことができるのであれば、旧市民球場跡地での選択肢が少しでも狭まることになり、その方が議論のスピード感のアップを考えるときにもよいのではないかといった提案だったと理解している。 


それまでになかった他の大規模未利用地という視点。
広島市全体を見て、旧広島市民球場跡地の分担すべき機能を考えるというもの。
第4回検討グループ会議ではこの考え方を中心に提案の評価を行う方向で固まりました

Ashiryou03

その他、第4回検討グループ会議では2人の委員からの提案。
そして、各委員が機能分担について意見を出し合って終わりました

第4回旧広島市民球場跡地委員会では、第3回・第4回の検討グループ会議の内容をもとに「中間とりまとめ」のたたき台を提示するという話になっています。
第2段階の終盤という位置づけでいいのではないでしょうか


余談。
こちらの内容については、実際に傍聴していないので参考までにということにしておきます。
ただ、「旧広島市民球場跡地でなくともよい」という指摘はまぁいいとしても、景観であったりナンセンスな否定的意見があったことは事実でしょう(というか議事要旨に載ってる)

【参考】
平成24年7月11日第4回旧広島市民球場跡地委員会検討グループ会議
Togetter 12年8月8日閲覧》


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⑪おわりに ~10日の委員会を傍聴するに当たって気をつけたいこと~
全3回にわたって「旧球場問題」と現在の旧球場跡地利用計画を追ってきました。
旧球場跡地に関する論議が始まってもう何年にもなりますが、未だに何も決まっていません

私個人としては広島市のリーダーシップのなさが最大の原因ではないかと考えています

たしかに、市民の意見を広く聞きたいという趣旨は分かります。
しかし、当初から手探り状態で会議を進めているという様子が窺え、その様子は2005年~2007年に開かれた2つの会議の議事録から受けた印象と同様のものです。

そのせいとは言いませんが、第3回・第4回検討グループ会議によって広島市のグランドデザインまで委員会で議論する方向に進み始めたのには正直驚きを隠せません。
ポジショニングを語ることは決して悪いことではありませんが…。
委員会の趣旨を考えればありえないことで、迷走していると言わざるを得ないでしょう

時間の制約や周囲の批判があるのは分かりますが、今一度この会議がある意味、この会議ですべきことを見直すべきなのではないでしょうか


しかし、一方であまり攻撃的すぎるというのには反対

広島にとって何が最も良いのか、どうすれば広島はもっと良くなるのか。
全員とは言いませんが、少なくとも真剣に考えていらっしゃる方はいらっしゃいます。
それは議事要旨を読むだけでも十分伝わってきました

自分と違う立場の人の発言全てが全て非難するのではなく、明らかにナンセンスな部分・勘違いしている部分を批判するようなスタンスが求められるのではないでしょうか


旧広島市民球場跡地は広島の中心地であるとともにIdentityの中心でもあると思います。
いろんな想いが出てくるかもしれませんが、まずは、話を聞いてみませんか?

虚心坦懐

という四字熟語で今回の企画は〆たいと思います。
長々とお付き合いいただき本当にありがとうございました