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la vie en violette

サンフレッチェとサッカーに染まった日々

2016年 JFA臨時評議員会(16.01.31)について

[Ⅰ]協議事項

(01)評議員1名選任の件
(02)会長予定者選出の件
(03)役員等推薦委員会設置の件

◆(02)会長予定者選出の件

田嶋幸三JFA副会長が会長予定者として選出
JFA 2016年01月31日付》


日本サッカー協会JFA)の会長予定者を決める初の選挙が本日(1月31日)の臨時評議員会で行われ、評議員の75票のうち、40票を獲得した田嶋幸三氏(JFA副会長)が次期会長予定者に選出されました(田嶋氏40票、原博実氏(JFA専務理事)34票、白票1)。


今回の評議員会でJFA会長予定者決定のための選挙が行われました*1
前述した通り、田嶋幸三氏が40票を獲得して会長予定者に選出されました。


田嶋氏は、会長予定者の活動書類でJリーグとの関係について次のように述べています。

役員の選任及び会長の選定について 会長候補者 田嶋幸三氏 活動書類
JFA


(1)提案する政策


Jリーグと代表は両輪
日本代表とJリーグは日本サッカーの両輪であり、良い連携が必要であることは言うまでもない。
一法人としてリスペクトし、議論をしていきたい。
代表選手の活動母体、日本サッカーのトップリーグとしてのJリーグのプレゼンスを一層高めることを期待し連携する。
世界で闘える選手・指導者・クラブ・リーグであるためにも、FIFAのマッチカレンダーが2024まで出た今こそ、以前より長きにわたり議論を進めてきたスケジュールについて議論するチャンスである。
また、育成については年間5億円×4年間=20億円という一大プロジェクトがある。Jクラブアカデミーでの育成が有効に機能するよう、共に取り組む。


(2)提案するプログラム


Jリーグと代表は両輪
代表スケジュールとの両立。シーズン制についても議論する。調整案の提示
若い年代の強化(試合出場機会)方策
育成一大プロジェクトが真に有効に機能するよう、Jリーグ、各Jクラブアカデミーとの協力


このように、田嶋氏が掲げるマニフェストのうちJリーグに関する内容とは、Jリーグのシーズン移行育成プロジェクト推進の2点となっています。


まず、先に育成プロジェクトについて説明しておきます。
この育成プロジェクトは2015年から始まったJFA/Jリーグ協働プログラム(JJP)のこと。


先日、松永英機氏が育成ダイレクターに就いたのもその関係です。

育成ダイレクター就任のお知らせ
Jリーグ 2016年1月29日付》


【JJP 概要】

・JFA・Jリーグ協働の選手育成事業に、4年間(2015年~18年)計20億円をJFAが拠出し、ワールドクラスの選手の輩出を目指す
1)国内トップレベルのアカデミーの、一層の向上
2)裾野の広がりとレベルアップにも注力(Jクラブと、都道府県サッカー協会の協働)


<主な活動について ※2015年度>
・「Foot PASS」の導入
育成組織を世界基準で客観評価するメソッド「Foot PASS」の導入、J1 7クラブで実施


・国際経験
(1)海外遠征支援
JFA/Jリーグ直轄事業 + クラブ単位の遠征(都道府県協会の指導者を帯同)
(2)国際大会開催支援
JFA/Jリーグ直轄事業都道府県協会事業(Jクラブを招待)
指導者の海外研修支援


・全国指導者研修
(1)日本代表強化指針に基づく育成方針 共有研修会
(2)JFAアカデミー指導者による巡回講習会


昨年も各地域を回って様々な活動をしていたようです。


blaublitz.jp
www.yfa.jp


このプロジェクトを着実に推進しますよというのが田嶋氏のマニフェスト
特に目新しい話ではないので、シーズン制の話に移りましょう。




前回も紹介しましたが、この会長選の前にシンポジウムが開催されました。


www.soccer-king.jp


この中で田嶋氏と原氏がシーズン移行について自らの主張を展開しています。
全文読んで貰うのが一番なのですが、何分長いので重要なポイントを引用します。

【全文掲載・前編】注目のJFA会長選へ――原専務理事、田嶋副会長が語る日本サッカー界の明日
サッカーキング 2016年1月24日付》


(田嶋氏)

シーズン制の移行は今回の選挙のために作った公約ではなく、私は10数年前から、ヨーロッパに合わせるべきだと言っています。その理由は、ヨーロッパへの移籍がスムーズになること。もう一つは、FIFAが2024年までのインターナショナルマッチデーのカレンダーを出したんですが、そこでは2022年のカタールW杯は11月、12月に開催することが決まっている。でもそれ以外の年は、今と同じように9月、10月、11月は必ず2試合ずつインターナショナルマッチデーが入る。つまり今のJリーグのスケジュールだと、終盤が代表の試合でぶつ切りになってしまう。


これらは非常に理にかなった指摘でしょう。
昨年のJリーグは、11月の空白期間が終盤の盛り上がりに水を差しました。


awayisum.hateblo.jp
thepage.jp


一方、試合開催期間について両氏は次のように説明しています。

【全文掲載・前編】注目のJFA会長選へ――原専務理事、田嶋副会長が語る日本サッカー界の明日
サッカーキング 2016年1月24日付》


(田嶋氏)

降雪地帯の問題はJリーグだけじゃなく、JFL地域リーグとも考えていかなければならないし、1月と2月にやらないのは、今の日程と変わらない形で提案しています。

【全文掲載・前編】注目のJFA会長選へ――原専務理事、田嶋副会長が語る日本サッカー界の明日
サッカーキング 2016年1月24日付》


(原氏)

Jリーグの人たちと本当に一生懸命議論して、それで1月、2月よりも、やっぱり12月にやれる環境をまず作ろうと。それでチャンピオンシップとかクラブW杯が来たりして、いろいろな要素を入れても12月をやれる環境を整える、あとはチャンピオンシップとか天皇杯とかを入れて、1月にもやれる環境を整える。12月にリーグ戦をやれるようにして、その時々でズラせばいけますよねという話を我々はしています。


このように田嶋氏は冬期開催に否定的、原氏は冬期開催が前提という風に読めるでしょう。


しかし、原氏が12月・1月の試合開催に言及したのには理由があります。
昨年2ステージ制を再導入したところ、2ndステージとCSの間はたったの1週間でした*2
1stステージと2ndステージの間は2週間あったものの*3、2016年は1週間になります*4


ステージ優勝の余韻に浸るのも難しい。それほどの過密日程なのです。


田嶋氏の言うように1月・2月にウィンターブレイクを用意し、さらにシーズン後とシーズン前の間にオフを取るということになれば現状に日程をさらに圧迫します。

もし、「シーズン移行すべし」と主張するのであれば原氏のように日程の妥協点をきちんと説明することから始めるべきでしょう。

【全文掲載・前編】注目のJFA会長選へ――原専務理事、田嶋副会長が語る日本サッカー界の明日
サッカーキング 2016年1月24日付》


(田嶋氏)

ただ、12月を最後にすると、実際に昨年はアルビレックス新潟柏レイソルの試合が降雪で延期になったわけです。シーズン最後のところでそのようなリスクがあるのは、リーグとしては厳しい状況だと思っています。たまたまあの2チームは入れ替え戦にも上位にもほとんど関係なかったので、翌日にカシマサッカースタジアムで試合をして事なきを得ましたが、あの時期にはなおさらやらないほうがいいんじゃないか。シーズンをずらせば、11月、12月、1月にもし雪が降っても、それは4月や5月の予備日に動かすことができる


この積雪の影響についても田嶋氏の指摘は十分理解できる話です。
しかし、シーズン移行をするのであればまず日程改革が進まなければ無理な話。

シーズン移行の話はメリットだけで進めることはできません。
メリットとデメリットが両輪であることを理解した上で、きちんと説明責任を果たして欲しいと思います。



*1:JFAの会長選に関する記事として、日本サッカー協会新会長に田嶋氏 初の選挙、原氏は落選朝日新聞 2016年1月31日付》、日本サッカー協会会長に田嶋氏当選 初の選挙、原氏を破る朝日新聞 2016年2月1日付》、日本サッカー協会 会長選・僅差で田嶋氏 「J秋開幕」で票割れる。毎日新聞 2016年2月1日付》、支持訴えの手法で田嶋氏 理事会決定覆った可能性も中国新聞 2016年2月1日付》、「僅差でびっくり」 接戦だった会長選中国新聞 2016年2月1日付》など。

*2:2ndステージ第17節は11月22日(日)、準決勝は11月28日(土)。準々決勝は11月25日(水)に開催予定だったので、実施されていた場合は2日間しかなかった。

*3:1stステージ第17節は6月27日(土)、2ndステージ第1節は7月11日(土)だった。

*4:1stステージ第17節は6月25日(土)、2ndステージ第1節は7月2日(土)に開催される。