《Part.3》第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 基調講演レポート
※当記事は2012年11月5日に開催されたスタジアムシンポジウムに関するものです※
Part.3は「スタジアムの進化」というタイトルで進めていきます。
まずは基調講演の概要をまとめた後、それについて少し触れていきます。
<第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 基調講演レポート・目次> | ||
回数 | テーマ | 内容 |
---|---|---|
第1回 | プロスポーツと地域社会 | コベントリーの事例 |
第2回 | プロスポーツと地域社会 | ドレスデン、カムデン・ヤーズの事例 |
第3回 | スタジアムの進化 | スタジアムの発展過程 |
第4回 | スタジアム八策 | スタジアムとホスピタリティ |
第5回 | スタジアム八策 | アオーレ長岡の事例 |
第6回 | その他 | Jリーグの求めるスタジアム像 |
[Ⅰ]基調講演=スタジアムの進化
第一段階…グラウンド
機能:日本の場合は学校、体育、運動
街中に近いが中心にあるわけではない。
人口増加に伴い街中から追い出されていく
第二段階…総合陸上競技場、運動公園
機能:大会開催
対象:選手、役員(客は不要)
非常に遠いので自動車が交通手段で駐車場完備
(日本はここで止まっている)
第三段階…ホームスタジアム
機能:ホームスタジアム
対象:観客、メディア
使うのはプロチームなので専用、観客のために屋根、アクセス、飲食などを備える
しかし、土地がないので郊外に作られる
(ヨーロッパや大リーグの1990年代)
第四段階…アリーナ、パーク
機能:街作り
複合型で試合がない日でも使用され、観光スポットとして使用される
マンチェスターユナイテッドでもホーム試合は30試合程度しかない
プレミアリーグの観客の5%(78万人)は海外の観光客
サッカー専用で、かつ、アクセスのいい街中のスタジアムに行っている
スタジアムは競技的イメージの言葉
アリーナやパークという名前がヨーロッパやアメリカでは使用されている
スタジアムは管理→運営→経営というように進化している
世界の情勢
- イギリスやスペインは最初からサッカー場だった
- フランスとドイツはW杯のとき作った
- オランダとスイスはEUROに合わせて作った
- 韓国はW杯のときに10会場作っている
- イタリアはユベントスを皮切りに作り始めている
日本は開幕のときにもW杯のときにも作れなかった
アジアの中でどのレベル水準にあるかと考えると、日本は危機的な状況
ここまでがメモ書きをもとにした基調講演の書き起こしです。
[Ⅱ]スタジアムの発展過程
基調講演ではパワーポイントで示されたスタジアムの発展過程。
もとの映像が一番良かったのですが、稚拙な画像で表すとこんな感じ。
一周回っているのも、前々回の説明で取り上げた「人間回帰」の一種でしょう。
これを日本で当てはめるとこんな形になるように思います。
第一段階は学校のグラウンドも当てはまります。
他には例としてあげた広島市中央バレーボール場や中央庭球場なども。
第二段階は多くの陸上競技場が該当。
第三段階は豊田スタジアムや埼玉スタジアムなどが当てはまります。
これらは特に説明の必要はないと思います
マツダスタジアムを街中とするかは議論が分かれるところかもしれません。
第四段階として最も分かりやすくしっくりくるのは旧広島市民球場ですね。
このスタジアムの発展過程をどこかで見たことがあり、思い返しているうちに見つけました。
広島サッカー専用スタジアム構想委員会さんの広島市民球場の保存改修案という動画。
こちらの38秒からほぼ同じ内容が出てくるのが分かります。
今でもこの動画の価値は薄れていません。
ちょっと短いですが今回はここまで。
次回と次々回は基調講演のメインとなるスタジアム八策についてです。