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サンフレッチェとサッカーに染まった日々

第2回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く

というわけで第2回。
今回は、クラブライセンス制度のアウトラインについてざっくりと。

MOKUJI

第1回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く
第2回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く
第3回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く
第4回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く
第5回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く
第6回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く
第7回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く
第8回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く
第9回 Jリーグクラブライセンス交付規則を読み解く

 




第2回の今回のメインコンテンツはJリーグクラブライセンス交付規則第4条です。

第 4 条 〔Jリーグクラブライセンス制度の目的〕

 Jライセンス制度は、AFC規則第 1.1 項、JFA基本規程第 1 条およびJリーグ規約第1 条に定める目的の実現のほか、以下のことを目的とする。

① 日本サッカーのさらなる水準の向上
② クラブの経営のさらなる安定化および組織運営体制の充実
③ JFAおよびJリーグの諸規程のほか、各種法令、諸規則の遵守
④ 安全で充実した機能を備え、サービスの行き届いた観戦環境およびトレーニング環境の整備
⑤ シーズンを通じた国内および国際的な競技会の継続性の維持
⑥ 競技会における、財務上のフェアプレーの監視


AFC規則第1.1項」、「JFA基本規程第1条」、「Jリーグ規約第1条」ってのは以下。
※ただし、AFC規則がこれであってるかはあまり自信がない…

(追記訂正)
AFC規則の部分が間違っていました。すみません。
交付規則別紙1で「AFC Club Licensing Regulations」と定義されています。

一番最後のところで別途解説を加えています。

The AFC Statutes
《Asian Football Confederation公式 2012年6月22日閲覧》

ARTICLE 1. TITLE, LEGAL FORM, HEADQUARTERS, LANGUAGE
1. The organisation shall be called “The Asian Football Confederation” or “AFC”.
公益財団法人日本サッカー協会基本規程
日本サッカー協会公式 12年6月22日閲覧》

第1章 総則

第1条 本規程は、公益財団法人日本サッカー協会(以下「本協会」という)の組織及び運営に関する基本原則を定める。
Jリーグ規約
Jリーグ公式 12年6月22日閲覧》

第1条〔Jリーグの目的〕

 公益社団法人日本プロサッカーリーグ(以下「Jリーグ」という)は、日本のサッカーの水準の向上およびサッカーの普及を図ることにより、豊かなスポーツ文化の振興および国民の心身の健全な発達に寄与するとともに、国際社会における交流および親善に貢献することを目的とする。


さて、交付規則第4条の6項目はそれぞれ各基準に対応しているようです。
厳密には①は言及されていませんが、②~⑥はそれぞれの目的にほぼ一致。

① 日本サッカーのさらなる水準の向上

  →全基準

② クラブの経営のさらなる安定化および組織運営体制の充実
  →
財務基準、 人事体制・組織運営基準

③ JFAおよびJリーグの諸規程のほか、各種法令、諸規則の遵守
  →法務基準、(施設基準)

④ 安全で充実した機能を備え、サービスの行き届いた観戦環境およびトレーニング環境の整備
  →施設基準

⑤ シーズンを通じた国内および国際的な競技会の継続性の維持
  →財務基準

⑥ 競技会における、財務上のフェアプレーの監視
  →財務基準


愛媛FCサポート連絡会の記事要約*1にもあるように、「施設基準と財務基準が重視される」のは、この条文からもよくわかりますね。
これが、クラブライセンス制度の制度趣旨にあたる部分でしょう。

こんな感じで今回は全体のアウトラインについてでした。

Jリーグクラブライセンス交付規則を読み切ったところ全8回になる模様。
構成としましては以下のようになる予定です(各基準のところは増えるかも)。

第1回 これまでのクラブライセンス制度のお話
第2回 全体のアウトライン+ライセンスの意義(前編) ←いまここ
第3回 ライセンスの意義(後編)
第4回 ライセンスの運用方法
第5回 各基準の概要(競技基準、施設基準)
第6回 各基準の概要(人事体制・組織運営基準、法務基準、財務基準)
第7回 用語の解説
第8回 おまけ ~雑則・運用細則など~


ほとんどの条文に触れる予定ではありますが、カット多めなのであしからず。
実際に条文を読むきっかけにでもなれば幸いです 。

次回は、ライセンスの意義の後半。
各機関の関係や役割などについてを予定しております。




完全な余談ですが、交付規則の第1条は以下のようになっています。

第 1 条 〔趣旨〕

 本交付規則は、JFA基本規程第 72 条第 4 項およびJリーグ規約第 19 条に基づき、J1およびJ2の参加資格である「Jリーグクラブライセンス」(以下「Jライセンス」という。)の要件、申請手続、審査手続その他の必要事項について定めるものである。


ここでいう 「JFA基本規程第72条第4項」は次の通りで問題ないでしょう。

公益財団法人日本サッカー協会基本規程
日本サッカー協会公式 2012年6月22日閲覧》

第6節 Jリーグ〔Jリーグの設置〕

第72条
4 本協会は、クラブライセンス制度の決定及び運用をJリーグに委ねるものとする。


一方、Jリーグ規約第19条については「第19条〔入会金および会費〕」についての条文です。
なんでだろ?と思ったらこの規約は2012年4月施行で、公布規則は2012年2月施行。
つまり、交付規則は2011年のJリーグ規約と対応しているみたいですね。

>2011年のJリーグ規約は、「第19条〔J1クラブの資格要件〕」、「第19条の2〔J2クラブの資格要件〕」になっているので、これが正解かなって思っています。
J2が上限の22チームになったため、かなり改訂されているからずれちゃった疑惑。




(追記訂正)
AFC規則の引用が間違っていました。
本来引用すべき条文は以下のものとなります…すみません。

AFC Club Licensing Regulations
《Asian Football Confederation公式 2012年6月22日閲覧》

1.1 OBJECTIVES FOR THE AFC CLUB LICENSING SYSTEM

The AFC Club Licensing System has the following objectives:-

• Safeguarding the credibility and integrity of continental and national club competitions.

• Allowing the development of benchmarking for clubs in financial, sporting, legal ,personnel, administrative and infrastructure related criteria throughout Asia.

• Further promotion and continuous improvement of the standard of all aspects of football in Asia and continuing priority given to the training and care of young players in each club;

• Increasing the level of management and organization within the clubs

• Improvement of the economic and financial capability of the clubs, increasing their transparency and credibility, and placing the necessary importance on the protection of creditors;

• Adaptation of clubs’ sporting infrastructure to provide spectators and media with well-appointed, well-equipped and safe stadiums;

• Safeguarding the continuity of international competitions for one season;

• Monitoring the financial fair play in the competitions.


AFC規則については、基本的には交付規則第4条と同じ話。
3つ目は①、4つ目は②、6つ目は④、7つ目は⑤、8つ目は⑥とほぼ同じことですね。

それ以外の部分についてちょろっと解説を加えておきます。

1つ目は、「大陸・国の大会の信頼性と整合性の保護」という意味。
これは推測ですが、AFCの存在意義に関わる項目なのでしょう。

2つ目は、アジア全域で「benchmarking for clubs in financial, sporting, legal,personnel, administrative and infrastructure」を発展させるということなので、これは全体の話。
順番に、財務基準、競技基準、法務基準、人事体制・組織運営基準、施設基準ですね。

5つ目は、先取りになりますが、交付規則の財務基準の目的と同じ内容でした。

第 37 条〔財務基準〕

(1) 財務基準の目的は以下のとおりとする。

① クラブの経済的および財務的能力を向上させること
② クラブの透明性と信頼性を高めること
③ 債権者保護を重視すること


とまぁそんな感じです。
第3回の記事を作っていてミスに気づいたのですが、本当に申し訳ない。
次からはそんなことが無いようできる限り善処するよう取り組みます。