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la vie en violette

サンフレッチェとサッカーに染まった日々

【修正中】誰が"サッカー専用スタジアム"と呼び始めたのか

先日のローカルニュースで立て続けに取り扱われたサッカースタジアム特集。
なかなか見応えのあるものだったと思います。ソースありがとうございます。





Twitterの方でも書きましたが、TSSはサンフレッチェの動画にBAの諸問題を追加。
RCCの方は実際にユアスタフクアリに取材に行くという熱の入りっぷり。
更にはRCCラジオでも特集されたとか

成績の良さもあって、俄然注目度が増しているようです

【参考】
広島で高まるサッカースタジアム建設を求める声
《2012年9月24日閲覧 RCCラジオ RADIO ONE》


さて、今回の特集を見て少し気になった点が1つ。
今更感がありますが、「サッカー専用スタジアム」という言葉について

今回は色々詰め込んだのでちょっとボリューム多め

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①サッカー専用スタジアムとは何か
サッカー専用スタジアムとはスタジアムの一形態

そもそもスタジアムとは様々な用途に使用される大規模集客施設のこと。
サッカーだけでなく野球や陸上、ラグビーアメリカンフットボール、コンサートもそう。
スタジアムの利用方法は沢山あるのですが、1つ1つに適切な規格というものはあります

一番分かりやすいのは野球場ですね。
野球場の形は皆さんご存じの通り、扇形のように広がっていく形をしています

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広島市/新球場建設の推進より》

野球のプレーエリアは扇形なので、四角形などにすると見辛い座席が発生してしまいます。
野球は「見るスポーツ」ですから見やすい形状のスタジアムになるのは当然の話

逆に「するスポーツ」である陸上競技にとって、観客席は重要なものではありません。
だから陸上競技場では観客席の勾配が緩いという事態が発生します。
前の人の頭で試合が見えないなんてよくある話でして…

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広島ビッグアーチ-じゃらんnetより》

(注記)
確かBAは勾配という点では、かなりましな部類だったはず


サッカーは「見るスポーツ」に分類されます。
本来は観客第一で作られたスタジアムで観戦するのが一番です

しかし、サッカーはプレーエリアが四角形であるため、他の競技と大変相性が良い。
しかもサッカーのピッチというものは厳密に大きさが定められていません。
だから陸上競技だけでなくラグビーアメリカンフットボールと頻繁に「兼用」されます

サッカー専用スタジアムとはそういった他競技との兼用が主目的ではありません。
サッカーを観るのに最も適した規格のスタジアムこそがサッカー専用スタジアム

「スタンドとピッチが近い」、「屋根」、「スタンドの傾斜が急」という3点。
これらに加えてホスピタリティ的要素が重視されたスタジアムのことを指すことが多いです。
広義的には「陸上トラックがない」ということが要件でしょうか


②サッカー専用ってことは他の利用方法は出来ないの?
という誤解がしょっちゅうありますが、そんなことはありません
逆にサッカーに「しか」使っていないスタジアムというと国内でいくつあるか。

所謂「サッカー専用スタジアム」でもラグビーなどの球技利用はあります。
今年のジャパンラグビートップリーグでもユアスタフクアリなどで開催されますしね

【参考】
試合スケジュール
《2012年9月24日閲覧 TOP LEAGUE OFFICIAL SITE》


こういったスタジアムは、俗に「球技専用スタジアム」といいます。
確かに言いますが、実はこの定義は相当曖昧なものです

例えば、カシマサッカースタジアムは日本を代表するサッカー専用スタジアムです。
しかし、2004年にはラグビートップリーグの試合が開催されたのだとか。
さて、このスタジアムはサッカー専用でしょうか?それとも球技専用?

どこからが球技専用でサッカー専用はどこからなのかは誰も分かりません。
最近は指定管理者制度が導入されていますから、利用決定は指定管理者次第。
コンサート利用を積極的に取り入れているスタジアムも多いです。
利用目的から定義するのは、はっきり言って無理

さすがに陸上競技や野球が出来る「サッカー専用スタジアム」というと限られますが

【参考】
「味スタ」トラック 利用不人気 人工芝外さないと使えない
《2012年9月24日閲覧 東京新聞


つまり、「サッカー専用スタジアム」は、利用方法が「専用」というわけではない
あくまでも規格がサッカー観戦仕様だと考えるべきでしょう


③誰が「サッカー専用スタジアム」と呼び始めたのか
こんな風に誤解を生みがちな「サッカー専用スタジアム」という言葉。
一体誰がこんな面倒くさい造語を作り上げたのか

物事の起源を探るのは本当に大変です。
今回頑張って調べられるところまで調べてみました

大宮公園サッカー場からNACK5スタジアム大宮への軌跡、そして未来へ…
《2012年9月24日閲覧 さいたま市図書館》

1959年3月…『大宮公園サッカー場』は、日本初のサッカー専用球技場として、ここ大宮で産声を上げました。


国内最古のサッカー専用スタジアムと言われるのはNACK5スタジアム大宮
日本初=国内最古であることは相当すごいことだと思います

日本初サッカー専用、茨城県立カシマサッカースタジアム
《2012年9月24日閲覧 茨城県

そして、この茨城県立カシマサッカースタジアムは、日本で初めて建設された本格的なサッカー専用スタジアム※として有名です。
※(全席背もたれ付きの個別席、スタンド全面が屋根付き)


「本格的な」という言葉が先頭につくとカシマサッカースタジアムが日本初だとか。
このスタジアムが鹿島のJリーグ入りを大きくアシストしたのはまた別のお話


とはいえこれらの情報はインターネットが発達してからの記事。
当時から「サッカー専用スタジアム」という言葉があった証拠にはなりません

ここで引っ張り出してくるのは月刊体育施設という雑誌。
1979年から発行されているそうで、大変充実した内容となっています。
取り扱っている図書館で読んでみるのもお勧めです


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《月刊体育施設 1995年12月10日発行 より》

この文章の中に「サッカー専用スタジアム」という記述がありますね。
したがってJリーグ開幕頃には「サッカー専用スタジアム」という言葉はあったのでしょう。
定着したのは、もしかするとカシマサッカースタジアムが原因だったり…?

(注記)
1995年1月に発売されたサッカースタジアム開発と地域振興という書籍にも記述がある。
これ以前の資料については、現時点では見ていない


④なぜ「サッカー専用スタジアム」と呼び続けるのか
意外と長い「サッカー専用スタジアム」という呼称の歴史。
しかし、決してこれは良いこととは限りません。

前述しましたが、「専用」とは排他的な意味合いを持ちます。
エキサイト翻訳で「専用」を再翻訳して出てくるのは「独占使用」。
サッカー関係者は良いですが、他の人から見れば気持ちの良いものではないでしょう

なら「専用」を使わなければいいじゃないかという話になるのですが…。
これはこれで難しい理由があります


広島の例でいきましょう。
試しに広島の方に「サッカースタジアムはどこですか?」と聞いてみてください。
十中八九、BAを指し示すと思います。

(注記)
「ないよ」or「広域公園第一球技場」とか言う人がいたらその人はひねくれ者です。
私がそうなんだから間違いない。


BAは陸上競技場であり、サッカースタジアムではありません。
しかし普通の人は「サッカースタジアム=サッカーをする場所」と考えます。
こういう理屈で「サッカースタジアムは2個いらない」というような意見が出てきてしまうのです

実際にはサッカースタジアムではないが、違いを分かってもらえない。
目の前で広がる闘い、響く歓声、そういった臨場感の差はとても大きいのに

そこで出てきた言葉が「サッカー専用スタジアム」なのではないか。そう想像しています


1つの誤解を解こうと別の言葉を使うと新たな誤解が出てくる。
「サッカー専用スタジアム」は、そういったジレンマの中にあると言えるのかもしれません

これから署名を集めるときも「BAがあるじゃろ?」と聞かれることでしょう。
そのときは丁寧に「専用」の意味と違いを説明する必要があるのではないでしょうか。
サッカー専用スタジアムの経験がない人にはその違いは分かりづらいのです

1人でも多くの人が、一日でも早く「劇場」の魔力にとりつかれますように

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実はこれが先日考えていたネタ。
これに関連したことで気になったことがあるのでそれはまた後日

眠い中で作ったので文章の繋がりが悪いかもしれません。
後日修正するかもしれないし、しないかもしれない。
最後に関連して面白い記事を2件紹介して終わりたいと思います

【参考①】
「熱いスタジアム」が生み出す至福のサッカー
《2012年9月24日閲覧 日本経済新聞

【参考②】
ギラヴァンツ北九州 新スタジアム Part2 720-735
《2012年9月24日閲覧 ログ速》

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(追記補足)
先日このブログを書いた時点では最も古いソースとして1995年のものを提示していました。
これよりも更に古いソースを見つけたのでご紹介しておきます

「住友鹿島」サッカー団のプロ参加決定 地域一体の支援実る 
朝日新聞 1991年2月15日》

 鹿島郡鹿島町を本拠地とした住友金属工業サッカー団のプロ・リーグ参加が14日、決まった。プロ入りに名乗りを上げた「住金鹿島」を、県、鹿島町など地域が一体になっての支援が実った。同社は、社内外にプロサッカー推進・準備委員会を組織し、法人化やスタジアム建設などの諸問題を煮詰めていく。
 社名はいまのところ未定で、住友金属・自治体・地元企業の共同出資で、株式会社の形態をとる。チーム名は公募で、「茨城・鹿島」をイメージしたものを考えている。
 また、フランチャイズは鹿島、神栖、波崎3町を中心とした近隣地域を予定。スタジアムの建設は、鹿島町の卜伝の郷運動公園を候補地とし、外国の競技場などを参考に、日本を代表する県立サッカー専用スタジアムになる予定だ。この日、同社には午後4時10分すぎ、日本サッカー協会からの正式決定通知が届いた。
 同社鹿島製鉄所の中村為昭所長は「県知事や鹿島町長、近隣自治体、地域企業、諸団体の支援で良い結果につながった。今後、球団設立など具体化の詰めや、チームの強化にも早急に着手し、地域代表チームとしての期待にこたえたい」とコメン卜。
 朗報に竹内県知事は「地元町や地域の企業と力を合わせ、多数の観客を収容できるスタジアムの建設や交通体系の整備などに全面的に支援する」などの、談話を寄せた。また、五十里武・鹿島町長は「魅力ある町づくりにとっては喜ばしいこと。スポーツの町・鹿島の名に恥じないスポーツ圏を築きたい」と喜んでいる。 


フランチャイズという言葉が懐かしい